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2021 Fiscal Year Research-status Report

植物由来乳酸菌が産生するイソフラボン配糖体特異的糖質分解酵素の解析

Research Project

Project/Area Number 21K05437
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

城 斗志夫  新潟大学, 自然科学系, 教授 (00251794)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsイソフラボン / 乳酸菌 / β-グルコシダーゼ
Outline of Annual Research Achievements

大豆イソフラボンの大部分は吸収されにくい配糖体として存在し、吸収率の向上には腸内細菌が産生するβ-グルコシダーゼによる糖の分解が不可欠である。本研究は、申請者が植物性食材から単離したイソフラボン配糖体分解能が高い乳酸菌株Leuconostoc mesenteroides KM3を用い、この菌が産生するβ-グルコシダーゼの解析を通して配糖体分解能の高さの要因を解明するとともに、より配糖体分解能の高い酵素の作出を試みるものである。他の菌にはないイソフラボン配糖体に高い特異性を持つβ-グルコシダーゼの存在が配糖体分解能の高さの要因と推定しており、令和3年度は配糖体特異的β-グルコシダーゼの存在を明らかにすることを目的に研究を行った。β-グルコシダーゼの活性測定には合成基質であるp-ニトロフェニル-β-グルコピラノシド(β-pNPG)を通常用いるが、特異的酵素の検出のために配糖体の一種であるダイジンでも活性を測定した。培養したKM3の菌体懸濁液を酵素液として両基質で活性を測定した結果、β-pNPGに対しても活性を示したが、ダイジンに対する活性の方が非常に高かった。比較対象としてイソフラボン配糖体分解能が低い乳酸菌で同様に活性を測定した結果、β-pNPGに対する活性とダイジンに対する活性は同程度であった。次にKM3の菌体を超音波破砕し、遠心分離により細胞壁画分と細胞内画分に分離し、両画分を酵素液として2つの基質で酵素活性を測定した。その結果、β-pNPGに対する活性は細胞壁画分で高く、ダイジンに対する活性は細胞内画分で高かった。この結果は、KM3が配糖体特異的酵素と配糖体非特異的酵素の少なくとも2種類のβ-グルコシダーゼを産生し、その局在性が異なることを示している。また、配糖体特異的酵素は細胞内画分を用いることでさらに精製できるという次につながる重要な知見が得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度において、KM3がイソフラボン配糖体に高い特異性を持つβ-グルコシダーゼを非特異的β-グルコシダーゼ以外に産生していることを明らかにすることができた。また、両酵素の局在性が異なるという結果から、特異的酵素は細胞内画分、非特異的酵素は細胞壁画分を用いることでさらに両酵素の精製を進めることができるという情報も得られた。これらのことから順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

次のように研究を推進する計画である。①KM3が産生するイソフラボン配糖体特異的β-グルコシダーゼと非特異的β-グルコシダーゼを精製する。②それらの基質特異性を含む酵素化学的性質の違いを明らかにする。③両酵素のcDNAクローニングによりそれらのアミノ酸配列を明らかにする。④活性中心と推定されるアミノ酸残基に部位特異的変異を導入して発現させることでその基質特異性におよぼすアミノ酸残基の役割を明らかにし、アミノ酸置換によりさらに配糖体の分解能の高い酵素の作出を試みる。

Causes of Carryover

令和3年度に高速液体クロマトグラフ1台を購入する予定としていた。しかしながら、コロナ禍の影響により購入を希望していた機器の調達に時間を要することがわかり購入を次年度に後ろ倒しすることとした。このため次年度使用額が生じた。
高速液体クロマトグラフは令和4年度に購入し、研究の遂行に役立てる予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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