2022 Fiscal Year Research-status Report
Biological activity of lignan metabolite contains in dietary plant
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21K05439
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山内 聡 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00243808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 卓也 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (00263963)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リグナン / 代謝化合物 / 脱顆粒抑制活性 / 立体異性体 / 立体特異性 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物性食品中に含まれるリグナンのうち、3置換テトラヒドロフラン型リグナンであるラリシレジノールの体内代謝産物であるコニデンドリンの8個の全ての立体異性体の細胞レベルでの試験を行なった。その結果、(-)-β体が最も高い脱顆粒抑制活性(抗アレルギー活性)を示した。次に、作用メカニズムを調べたところ、細胞内シグナルのSyk及びPI3Kのリン酸化を下方制御することにより細胞内へのCa+の流入を阻害し、脱顆粒が抑制されることが分かった。 次に、動物実験を行うため、(-)-β-コニデンドリンの大量合成を行なった。既に開発した合成ルートのうち、2つの1級水酸基の位置選択的保護について、温度条件、反応時間、塩基の種類、試薬の量について、最適条件の検討を行なった結果、室温、16時間、ジクロロメタン中で4倍量のピリジンと2倍量の塩化ピバロイルを用いると、位置選択制が最も高く、原料であるジオールが回収されることが分かった。また、低収率であったα位の異性化については、エタノール中で炭酸カリウムを用いることにより収率が向上した。これらの改善を適用することによって、(-)-β-コニデンドリンを0.5 g得ることができマウスによる動物実験が可能になった。現在、動物実験を行っている。 立体構造と活性との関係は明らかになったので、ベンゼン環上の構造と活性との関係を調べるため、ベンゼン環上の置換基の異なる誘導体の合成を試みた。さまざまな置換基を持つべンズアルデヒド類、ベンジルハライド類を用いて反応を行い、SN1環化反応を行うための中間体を得て、反応条件を検討した。その結果、この反応の進行のためには、o-及びp-位に酸素が存在している必要があり、この活性化のための酸素を反応後にパラジウム触媒反応によって除去可能であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品性植物中のラリシレジノールの摂取後の体内代謝化合物であるコニデンドリンの8つ全ての立体異性体を有機合成的手法により得ることができ、細胞レベルでの試験に供することによって、立体特異的に(-)-β体が脱顆粒抑制活性(抗アレルギー活性)を有することを見出した。さらに、その作用機構がCa+の流入阻害であることも示した。さらに、(-)-β-コニデンドリンの大量合成にも成功し、動物実験を可能にした。ベンゼン環上の置換基が異なる誘導体の合成を目指したが、o,p-位に反応を活性化させるための酸素原子の存在が必要なことがわかり、SN1環化反応後にこの酸素の除去が可能なことは明らかになったが、合成工程数が多くなり現在誘導体は得られていない。しかし、誘導体合成は可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
立体特異的に(-)-β-コニデンドリンがが脱顆粒抑制活性(抗アレルギー活性)を有することを見出し、その作用機構がCa+の流入を阻害によることが示した。そこで、細胞内シグナル分子にどのように作用するのかについて検討する。また現在、マウスを用いた動物実験を行なっている。動物実験後尿を回収して、ESI-Q-TOFMSと光学活性カラムを用いて、体内に存在する(-)-β-コニデンドリン及びその代謝化合物についての分析を行う。もし、硫酸縫合体が確認された場合は、(-)-β-コニデンドリンの硫酸化を行い、細胞レベルでその活性を確認する。ベンゼン環上の置換基が異なる誘導体の合成については、合成過程の鍵反応であるSN1環化反応が進みやすいと考えらえる誘導体についての合成を検討する。
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Causes of Carryover |
現在、(-)-β-コニデンドリンの動物実験を実施中であるが、この実験の結果を受けて実験の予定を立てるため、余剰金を残すことにした。もし生物活性が観察されない場合は、その原因を究明するため、硫酸抱合体の合成、細胞レベルでの活性試験を行う。また、実験動物の尿の分析も行う。さらに、これまでの誘導体合成の予備実験で、誘導体合成に予想より多くの合成工程を要することが明らかになった。(-)-β-コニデンドリンの作用メカニズムがCa+の流入を阻害によることが示されたことから、細胞内シグナル分子にどのように作用するのかについても検討する。以上のことから、翌年度分として請求した助成金合わせて使用したい。
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