2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation for active form of anthocyanin and bioactive mechanisms in neutral pH region
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21K05462
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Research Institution | Niigata University of Pharmacy and Medical and Life Sciences |
Principal Investigator |
松本 均 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 教授 (00566292)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | anthocyanin / Delphinidin / Cyanidin / vasorelaxation |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの研究で、AC単独あるいは、ACの低分子分解物、ACの重合物に強い血管弛緩活性が、認められなかった。そこで再度、市販のカシスポリフェノール(PP)抽出物を血管弛緩活性を指標に分画していくこととした。ODSカラムクロマトグラフィーとゲルろ過カラムによる分画を組み合わせることで、ACより極性の高い確認と、低い画分にそれぞれ強い血管弛緩活性を見出した。また、これらの画分はいずれも分子量数千以上の高分子であることが判明した。また両画分ともにACに特有の520nmの吸収が認められた。なんらかの部分構造の情報でも得られるかと思い、1H―NMRや13C―NMR構造解析を試みたが、芳香族系の物質の存在と、糖の存在が示唆された。ACが糖と結合したまま重合したのだとしたら、理解できるようなスペクトルであったが、実際そのような現象がおきるとは考え難い。そこで、市販のβグルコシダーゼをひとつの画分に反応させたところ、グルコースの遊離がみられ、高分子重合体がやや低分子化したことから、グルコースが含まれている形で重合していると思われた。 一方、昨年見つかった、ACと混合することで、元のPP抽出物と同等の血管弛緩活性をもつ画分は、今年はなぜか見出すことができなかった。昨年見出した画分が微量だったこともあり、再現性が取れない結果となった。来年再度、再確認する予定である。 このように、研究開始前の予想とは大きく異なる結果となっており、もう1年研究期間を延長し、研究を続けていくこととした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一昨年の検討で、アントシアニン(AC)は、中性条件で48時間分解すると、一度低分子化した後、重合体を形成することは判明した。研究開始以前の予想は、アントシアニン(AC)が、分解した低分子化合物に血管弛緩活性があると考えていたが、予想に反して、低分子化した後すぐに重合反応が進んでいき、高分子物質が生成した。この高分子化合物には、血管弛緩活性は弱かった。この低分子化した分解物には、血管弛緩活性が認められなかった。昨年は、この重合体の血管弛緩活性の評価を重点的に行った。結果は、Delphinidinの配糖体は、経時的に重合体が増加すると、血管弛緩活性は弱くなった。反対に、Cyanidinの配糖体は、経時的に重合体が増加すると、血管弛緩活性はやや強くなった。 本研究は、出発物質の市販のカシスポリフェノール(PP)抽出物の強い血管弛緩活性を指標に活性本体を追跡してきた。しかし、これまでに得られた4種のACとその重合物の血管弛緩活性は、アセチルコリンやPP抽出物と比較して緩慢で小さな反応で弛緩活性も小さかった。つまり、PP抽出物中の弛緩活性は、AC以外の物質である可能性もでてきた。一方、PP抽出物を血管弛緩活性を指標に分画していくと、ACと混合することで、元のPP抽出物と同等の血管弛緩活性をもつ画分を見出した。 そこで、本年も、再度PP抽出物を血管弛緩活性を指標に分画して、AC以外の物質の探索を行った。その結果、ODSカラムで分画した際に、ACより極性の高い確認と、低い画分にそれぞれ強い血管弛緩活性を見出した。これらの画分はいずれも分子量数千以上の高分子化合物が主成分であった。NMRによる構造解析を試みたが、精製度が低く、あまり有益な情報は、得られなかった
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2つの方針で実験を進めていく。すなわち一つ目は、一昨年に見出したACと共存することで、強い血管弛緩活性を発揮する物質を再度探索することである。その画分の取得には一度は成功しているため、その画分を大量に調製しACと共存状態での、血管弛緩活性を評価しながら、その成分を探索していくこととする。本検討がすすめば、ACが血管弛緩活性の本体であることも考えられてくる。 また、PP抽出物中の強い血管弛緩活性をもつACを含まない画分の構造の探索も継続して実施を目的として、この画分も大量調整し、ACとは異なる活性成分を探索していくこととしたい。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が予定を下回っており、期間を1年間延長して研究を継続することとしたためである。
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