2021 Fiscal Year Research-status Report
多機能性乳タンパク質結合ペプチド群の生理活性発現機構とその応用に関する研究
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21K05472
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
川上 浩 共立女子大学, 家政学部, 教授 (90458860)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 食品機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳中の塩基性糖タンパク質であるラクトフェリン(以下、LFと略す)の多様な生理作用が、LFと特異的に結合している微量成分(LF結合成分)に起因しているという仮説をもとにして、LFのさまざまな生理作用の活性本体を明らかにし、医薬品あるいは機能性食品等の有効成分として活用することを目的に研究を進めた。分子量8,000未満にターゲットを絞った分析条件で、LF結合成分に含まれるペプチドを網羅的に明らかにするため、LC-MS/MSショットガン法による解析を行った。ダイレクトフローnano LCシステムEasy-nLC 1000に、トラップカラムAcclaim Pep Mapおよび分析カラムNano HPLC Capillary Columnを設置し、質量分析計Q Exactive Plusで分析した。解析ソフトウェアはProteome Discoverer、検索エンジンはascot、データベースはSwiss Protを用いた。その結果、300種類以上のペプチド(分子量783~3,776Da)が、LF結合成分として存在することが明らかとなった。逆相ペプチドカラムX Select Peptide CSH C18によるHPLC、あるいはF-moc法を用いた化学合成により、一次構造が明らかになったペプチドを調製した。そして、マウスマクロファージ様細胞RAW264.7、ヒト好中球様細胞HL-60およびヒト腸管上皮細胞Caco-2を用い、LPSおよびIFN-γによる刺激で炎症性サイトカインを産生させる炎症反応実験系で、高純度LFおよび各種ペプチドによる抗炎症作用について調べた。培養上清中の炎症性サイトカインを特異抗体によるELISAで測定した結果、複数のペプチドにTNF-α、IL-1β、IL-6およびIL-8の産生を抑制する活性がみられた。いずれかの反応性を示したペプチドには、アミノ酸数残基に及ぶ共通の一次構造があった。また、Museセルアナライザーを用いて、生細胞内部で産生されるNO量を測定したところ、NO産生を亢進するペプチドと抑制するペプチドの両方が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大による出校制限などの影響により、実験が計画通り遂行できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
感染予防対策を行いながら、実験室の使用を個人ごとに振り分けて研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、実験を計画通りに遂行できなかったことから、試薬や消耗品等の購入実績が計画よりも少なかった。新年度においては、現在までのところ緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が発令されていないので、計画通りに実験を遂行できる予定にある。
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