2023 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on the effect and mechanism of short-term aging of fresh fish meat on the quality
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21K05477
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
塚正 泰之 近畿大学, 農学部, 名誉教授 (90298943)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ブリ / マダイ / 熟成 / グルタミン酸 / 官能評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度にマダイについて熟成の効果を理化学分析によって調べ,肉中のグルタミン酸が2週間の熟成期間中に3倍に増加すること,肉からのエキス抽出性についても熟成肉の方が抽出されやすいという結果を得た。 前年度は赤身魚で熟成中に血合肉の変色が危惧されるブリについて熟成中の外観,エキス抽出性,呈味成分,官能評価の変化について検討した。皮付きフィレで熟成させると刺身状にスライスした場合はメト化の影響は認められなかった。塩化ナトリウムによる塩締めと脱水シートは熟成中のエキス成分の量に影響を与えず,エキス抽出性は1週間熟成させることで向上した。イノシン酸は熟成1日以降減少し,グルタミン酸は熟成1日で増加したが,それ以降は変化しなかった。官能評価の結果,官能検査項目の後味以外は有意差があり,硬さ以外は熟成7日が高い値を示し,熟成1日より7日が好ましいという結果を得た。 マダイと同様にブリでも熟成により呈味性が向上することが確認されたが,ブリでは熟成1日以降グルタミン酸の増加はなく,熟成の影響は魚種によって異なることも合わせて明らかとなった。 ブリについては,呈味成分と官能評価で熟成の効果が確認されたことから,今年度はマダイの熟成で検討できていなかった官能評価を実施した。冷蔵1日とグルタミン酸が3倍に増加した2週間熟成マダイを比較し,2週間熟成は冷蔵1日と比較して,味の濃さと後味の評価が優位に高く、熟成することでうま味が増加することが確認された。また、外観に違いは認められなかった。 3年間の研究によって白身魚であるマダイでは2週間,赤身魚であるブリは1週間の熟成によって官能評価で熟成が有意に呈味性を向上させることが確認された。遊離グルタミン酸はマダイでは熟成2週間で3倍に増加し,ブリでは熟成1日で増加が確認されるものの,それ以降の増加は認められないことも確認された。
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