2021 Fiscal Year Research-status Report
ウコン属植物ガジュツの抗肥満作用と食餌誘導性肥満モデルマウスに及ぼす効果の解明
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21K05478
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
山崎 一諒 兵庫大学, 健康科学部, 講師 (60751328)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Curcuma zedoaria / ガジュツ / ウコン / 3T3-L1 / 糖尿病 / 動脈硬化症 / 肥満症 / 生活習慣病 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病や動脈硬化症等、多くの生活習慣病は内臓脂肪型肥満とそれに伴う慢性的な炎症・インスリン抵抗性によって引き起こされる。ガジュツ(Curcuma zedoaria)は紫ウコンとも呼ばれ、クルクミン類を含まない特徴的なウコン属である。伝統医学として炎症や糖尿病に利用された歴史があるが、肥満や生活習慣病に対する効果は十分に調べられていない。 今年度は生活習慣病に対するガジュツの有用性を検討するため、ガジュツが脂肪モデル細胞3T3-L1の分化に及ぼす影響を評価した。 国産のガジュツ乾燥粉末は50%メタノールを用いて抽出し、ろ過後、減圧濃縮、凍結乾燥により粗抽出物を得た。3T3-L1脂肪前駆細胞は定法に従い分化誘導・促進して成熟3T3-L1脂肪細胞とした。分化誘導および促進時に、細胞毒性を示さない濃度でガジュツ抽出物を添加した場合の脂質蓄積量および脂質合成活性の指標であるグリセロール3-リン酸脱水素酵素(GPDH)活性、培養液中のグルコース残存量、培養液中へのアディポネクチン分泌量を評価した。 その結果、3T3-L1細胞の脂質蓄積量はガジュツ抽出物の添加量に依存して増加した。GPDH活性についてもガジュツ抽出物添加群で亢進が認められた。分化誘導から7日目の培養液中のグルコース残存量はガジュツ抽出物添加群で低く、細胞への糖取り込みの亢進が示唆された。さらに抗炎症・インスリン抵抗性改善作用を示すアディポネクチンの培養液中への分泌量はガジュツ抽出物添加群で高かった。これらの結果は、日々の食生活による生活習慣病の予防や改善にガジュツが有用である可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究計画に示したガジュツが3T3-L1細胞の分化に及ぼす影響について評価することが出来たことから、おおむね順調に進展しているものと考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
ガジュツ抽出物から3T3-L1細胞に対する分化促進作用が認められたことから、活性に寄与する成分の同定および作用機構の詳細解明を試みる。また、食事誘導性肥満モデルマウスに対するガジュツ抽出物の効果を検証する。
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Causes of Carryover |
2021年度はほぼ研究計画の通り支出したが、1,192円の未使用金が発生した。2022年度の試薬類・器具類に活用し本申請課題を推進したいと考えている。
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Research Products
(1 results)