2021 Fiscal Year Research-status Report
New functionality of turmeric starch
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21K05482
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
韓 圭鎬 帯広畜産大学, グローバルアグロメディシン研究センター, 准教授 (50553450)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウコン / 難消化性でんぷん / 腸内発酵 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウコンの根茎に含まれるでんぷんにはリン酸が豊富に存在し,馬鈴薯でんぷん同様にレジスタントスターチ(RS)の性質を持つ可能性が予想される。しかし、ウコンでんぷんの発酵性は分かっていないため、AIN93G基準食に春ウコンでんぷんを用量依存的(0,5,10,20,40%)に添加した食餌を7週齢のF344系雄ラットに2週間投与して腸内発酵能力を評価した。得られた結果は以下の通りである。1.ラットの成長に群間による有意な差異は観察されなかったが、内臓脂肪量(腎臓+精巣周囲脂肪)は用量依存的に減少傾向がみられた。2.1日当り糞便排泄量は用量依存的に増加し、特に20%以上添加群では顕著に高かった。また、5%添加群の一部のラットにおいて浸透圧性下痢がみられた。3. 大腸組織(盲腸+直腸)重量は用量依存的な増加がみられ、盲腸内容物重量も用量依存的に増加した。特に40%添加群で顕著に高かった。4.盲腸内容物重量あたりの有機酸、特に短鎖脂肪酸量は用量依存的に高かったが,コハク酸量は用量依存的に減少傾向がみられた。5。腸内容物のアンモニア窒素量は群間による差異は観察されなかったが、その濃度は用量依存的に減少傾向がみられた。以上の結果,ウコンでんぷんはRSとして消化されずに大腸へ到達して腸内細菌により発酵されるが,過剰摂取された場合は、多量のでんぷんが未発酵のまま糞便へ排泄され、ウコンでんぷんが完全に発酵される添加量としては10%ないし20%が適当であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目指す本校の政策上、学生の登校が一時制限された状況で、ウコンからでんぷん抽出作業において学生バイトを求めることができず、本人一人でサンプル製造を行った。サンプル製造にかなりの時間がかかり、動物施設が他の実験で行われた状況になって、順番を待ってみると、結果的に動物実験を遅く始めることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の研究計画に沿って,ウコンでんぷんのALP活性に関連した腸管機能についての解析を行う。なお、高リン型のレジスタントスターチが各腸管のALP活性を特異的に誘導するか否か検討する。そのため、レジスタントスターチとして開発されたハイアミロースコーンスターチまたレジスタントスターチ含量が高い素材(ジャガイモ、ナガイモ、ウコン)よりでんぷんを用意し、ラットにおいて各レジスタントスターチの投与によるALP活性を比較・検討する。餌中のレジスタントスターチ含量は一定に合わせる。添加量は動物実験1の結果より算出する。実験方法については、動物実験1と同様に行う。
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Causes of Carryover |
当該年度の計画において人件費の使用及びALP分析に関する実験が実施できなかった結果、約24万円が次年度使用額として生じた。
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