2021 Fiscal Year Research-status Report
メタボローム解析を活用した脂肪細胞の褐色化に寄与する有用食品成分探索及び評価研究
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21K05486
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 春弥 京都大学, 農学研究科, 助教 (30750369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 剛 京都大学, 農学研究科, 准教授 (10550311)
櫻井 望 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 特任准教授 (30392286)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタボローム解析 / 食品健康機能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、これまでの研究において、サンプル中に含まれる低分子成分を網羅的に解析する手法であるメタボローム解析を活用し、脂肪細胞の褐色化に寄与する内因性代謝物を既に一部同定している研究成果を論文化する準備を進めると共に、既に得られている知見を十分に活用し、脂肪細胞の褐色化を介して健康維持増進に寄与する新規の機能性食品成分及び食材を見出すことを目指している。 本年度の研究において、培養脂肪細胞、実験動物を用いた実験結果の解析を実施すると共に、当該培養脂肪細胞のメタボローム解析を活用し、脂肪細胞の褐色化に寄与する内因性代謝物及び当該代謝物が位置する代謝経路について特定し、当該知見を取りまとめた論文を学術誌に現在投稿中である。当該培養脂肪細胞のメタボローム解析については、当初の計画通り実施し、本年度でほぼ解析を完了させることができた。 また、脂肪細胞の褐色化に寄与する食品成分探索を念頭において、様々な成分を含有する食品成分の適した抽出方法、LC-MSを用いた分析方法、及びメタボローム解析方法を検討した。 本研究が目指す、網羅的な成分解析手法であるメタボローム解析を活用し、脂肪細胞の褐色化に寄与する食品成分及び食材を効率的に特定することに向け、本年度重要な知見を得ることができたと考える。また、コロナ禍ではあるものの、研究分担者と共に適宜連携しながら、研究を効果的かつ円滑に実施することができたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の当初の本年度(初年度)の目的として、脂肪細胞の褐色化に寄与する内因性代謝物を、培養脂肪細胞及びメタボローム解析を用いて特定することを目的としており、研究実績の概要欄で記載した通り、培養脂肪細胞中の代謝物をメタボローム解析を用いて網羅的に解析し、脂肪細胞の褐色化に寄与する成分を特定するに至った。 他方、上述メタボローム解析はほぼ実施を完了したが、未知成分を含むと推定される多くの成分も検出され、これらの成分情報は未だに不明確な部分も多く残されていることから、今後、当初の研究計画に沿った研究を実施しつつ、必要に応じて、当該メタボローム解析結果を活用し、脂肪細胞の褐色化に寄与する成分候補をさらに探索を進めることで、脂肪細胞の褐色化メカニズムのより深い知見が得られるものと考えられる。 上述の研究実施状況を踏まえ、当初の計画におおむね沿った実施状況であり、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の当初の2年目の研究計画として、1年目の研究で特定した内因性代謝物を指標とした、脂肪細胞の褐色化に寄与する候補食材及び候補成分の特定を掲げている。具体的には、1年目の研究で特定した脂肪細胞の褐色化に寄与する内因性代謝物等の知見等を活用し、農林水産物・食材抽出物を培養脂肪細胞に添加し、これらの食材が脂肪細胞の褐色化に与える影響を検討すると共に、これら食材中に含まれる成分をメタボローム解析により明らかにし、脂肪細胞の褐色化に寄与する候補成分と位置付けられる成分を網羅的に特定することを目指す。 現状として、研究実績の概要欄で記載した現在投稿中の学術誌の案件を対応すると同時に、上述2年目の研究計画を実施するに当たり、機能性評価及びメタボローム解析を進めると同時に、今後も本研究課題における研究分担者と密に連携し、本研究課題を効果的かつ円滑に推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
差し引き金額が生じた理由は、本年度取りまとめ中の学術論文投稿案件のリバイス実験諸費用及び論文掲載料等を想定しており、当該差し引き金額は、先に述べた案件を中心に使用する計画である。
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Research Products
(3 results)