2022 Fiscal Year Research-status Report
Inhibitory mechanism of proline utilization by arginine in Saccharomyces cerevisiae
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21K05504
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
西村 明 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (30781728)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロリン資化 / アルギニン / 酵母 / Saccharomyces cerevisiae / トランスセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、Arg以外の塩基性アミノ酸がPro資化能に及ぼす影響を検討したところ、オルニチンやリジンもPut4のエンドサイトーシスを誘導することで、Pro資化抑制因子として働くことが分かった。次に、塩基性アミノ酸存在下でもプロリン資化が可能な変異株の分離を試み、4株を取得した。これら4株の全ゲノムDNA配列を決定したところ、全ての株でArgトランスポーターCan1をコードする遺伝子にアミノ酸置換を伴う変異(Gly434Cys, Leu161Pro, Gly224Cys, Ala379Ile)を見出した。また、これらのCan1変異体を解析した結果、Argトランスポーター活性は、Pro資化抑制の制御と無関係であることが明らかになった。このことから、Can1はArg取込み以外の機能を有することが示唆された。近年、トランスポーターの中で輸送活性以外に外部環境因子の受容体活性を持つタンパク質が報告されている。このような受容体様の機能を併せ持つトランスポーターは「トランスセプター」と呼ばれ、炭素源応答の主要制御系であるProtein kinase A(PKA)シグナルをcyclic AMP (cAMP)非依存的に活性化する。そこで、Can1もトランスセプターである可能性を考え、Arg添加時のPKAシグナルの活性化レベルを検討した。その結果、Arg添加によってCan1依存的にPKAシグナルが活性化することが判明した。また、その活性化はcAMP非依存的に起こることが示された。以上のことから、ArgはCan1依存的にPKAを活性化させ、Pro資化抑制の制御を行っていることが強く示唆された。さらに、Can1はPKAの触媒サブユニットと直接結合し、プロリン資化抑制を制御していることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスセプターの関与は当初まったく想像しておらず、プロリン資化抑制において新たな概念を見出すことに成功した。一方で、トランスセプターの下流経路は全く判明しておらず、今後の解析が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスセプターの下流にはPKA経路が存在するため、今後はPKAとプロリン資化の関連を解析していく。まずは、RNAseq解析を通して、アルギニン存在下でどのようなPKA下流シグナルが動くかを検討する。候補シグナルに関しては、遺伝子破壊などを行いプロリン資化制御への寄与を解析する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験がスムーズに進み、消耗品費の使用を抑えることができた。余剰分はRNAseq解析の費用に転用し、研究計画を進めていく。
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Research Products
(10 results)