2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a translational correction method for resolutional improvement of nucleosome maps
Project/Area Number |
21K05505
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
加藤 太陽 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (40548418)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヌクレオソーム / DNA / マイクロコッカルヌクレアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実験的に得られたNCPの位置情報をソフトウェアレベルで補正する手法の確立を目指している。これを達成するため、まずはマイクロコッカルヌクレアーゼ(MNase)による染色体DNA切断のパターンを局所配列レベルで詳細に調査した。MNaseはTA(5'-TA-3')のつなぎ目を主な切断対象とする。TTとATも切断されるが、AAが切断されることはほとんど無いことが明らかになった。前後のCとGの特徴的な配置も観察された。ゲノム上の切断箇所によっては、両鎖の5'末端の1塩基に相当するヌクレオチド座標を共有するパターンから、5'末端が互いに3塩基離れたパターンまで、多様な切断パターンを持つことを確認した。この情報をもとに151±0 bpの断片を生むヌクレオソームに注目し、WW/SSなどのダイヌクレオチドのパターンを評価したところ、配列の条件が合えば、MNase-seqでもケミカルマッピングと同程度の高解像度でヌクレオソーム配置を同定できることがわかった。MNaseが好む配列がリンカーにあれば配列に応じた断片が生じる。その裏付けとしてARS107遺伝子座に注目した。ARS107は、左腕側と右腕側の両方にヌクレオソームアレイを持つことが複数のケミカルマッピング技術で確認できる。しかし、MNase-seqでは左腕にヌクレオソームが見つかるが、右腕側には見えない。調査の結果、右腕側のヌクレオソームのリンカー領域はMNaseが好む配列を持たないと特徴づけられた。これらの結果は、局所の配列によってはヌクレオソーム同定が困難であるが、同定さえできれば、MNase切断配列の特性を考慮した並進配列補正が可能であることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で当初計画遂行に必要と考えた十分な時間を確保できず、研究計画3が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画3(断片の事前選抜によらない並進補正法の開発)を進めるために十分なデータ解析は完了しているので、引き続き研究計画3を進める。計画4と5についても順次実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で当初計画遂行に必要と考えた十分な時間を確保できず、交付申請書に記した研究計画3(断片の事前選抜によらない並進補正法の開発)が遅れているため。研究計画3を進めるために十分なデータ解析は完了しているので、引き続き研究計画3を進める。計画4と5についても順次実施する。
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