2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a translational correction method for resolutional improvement of nucleosome maps
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21K05505
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
加藤 太陽 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 准教授 (40548418)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヌクレオソーム / DNA / 並進補正 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、実験的に得られたNCPの位置情報をソフトウェアレベルで補正する手法の確立を目指している。 前年度に引き続き、MNaseによる切断パターンの詳細な検討を行い、適切にヌクレオソームを選抜すればケミカルマッピングに匹敵する解像度でヌクレオソームDNAを調査できることを確かめた。ただし、この手法はMNase切断バイアスと相性の良いヌクレオソームしか対象とすることができず、並進配置補正の必要性が高いことが裏付けられた。また、MNaseを用いたマッピングから高解像度に得たヌクレオソームDNAの情報とケミカルマッピングで得た情報との比較の結果、ケミカルマッピングがもつ技術的なバイアスが、これまでより明確に浮かび上がった。すなわち、切断箇所近くの短いDNA配列に対してケミカルマッピングは強い嗜好性をもっていた。この事実は、単にケミカルマップを用いて並進補正を行ったとしても、それはケミカルマッピング特有のバイアスを受けた補正になってしまうことを意味していた。これを受けて、ケミカルマッピングによる技術的バイアスを詳細に検討した。 並進配置補正精度を高めるため、ヒストンH4-S47CとH3-Q85Cを用いて同定されたヌクレオソームDNAから、両方のメソッドがバイアスをもつ領域を避ける形でキメラ配列を作成し、ハイブリッド確率モデルを構築した。これまでの予測法との比較に加え、生体内でのヌクレオソーム配置の予測精度の調査を行い、これまでより高い精度でヌクレオソーム配置を予測できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
並進配置補正を精度よく行うためには、ケミカルマップで得られた確率モデルによる最適座標の選出が要となる。ケミカルマッピング技術がもつ切断バイアスをDNA配列の観点から明らかにし、さらにそのバイアスを緩和した相性予測が可能になったことで、より高い精度での並進配置補正が実現すると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで主にデータ解析に注力してきたが、当初より精度の高い予測ができるようになってきた。これを踏まえて、生体試料側の最適条件等についても検討を重ね、より高い精度で並進配置補正ができるようメソッドを構築したい。
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Causes of Carryover |
代表者が6月に異動し研究計画がずれ込んだ。特に実験研究環境の整備に時間がかかり、初めて経験する部類の教育義務が増加したことによる。令和5年に入り、異動以前よりも研究を促進できる環境が整ったため、遅延分も問題なく研究遂行できる見通しである。
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