2023 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of genes responsible for agronomic traits under reproductive stage in spinach, by using a high quality genome sequence.
Project/Area Number |
21K05525
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野寺 康之 北海道大学, 農学研究院, 准教授 (80374619)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ホウレンソウ / 生殖形質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では供試ホウレンソウ系統03-009(雌雄異株)のゲノムに関するpseudomoleculeを構築した.その総全長,ゲノム被覆率およびBUSCO 値(網羅性の指標)は,879 Mbp,93.8%および98.0%に達しており,これらの値は筆者が2021年に公開した同系統ゲノムのpseudomoleculeのものよりも優れていた. 系統03-009(雌株,早抽性)および系統03-336(高雄性間性,晩抽性)の交雑後代集団(F2)の表現型データ(雌花率,抽苔性)およびddRAD-seq解析によって得られた遺伝子型データを用いてQTL解析を行い,pseudomolecule上に,雌花率(間性発現)および抽苔性制御に関わるQTLをマップした.さらに,系統03-009および03-336のF2およびF3世代を用いて,雌花率制御 に関する3つのQTL(qFem2.1 ,qFem3.1 およびqFem6.1)の相互作用を調査した結果, qFem2.1 と qFem6.1は主働遺伝子(qFem3.1)に対する変更遺伝子として機能していることが示唆された. 系統間のゲノムDNA配列およびトランスクリプトームの比較に基づいて,qFem2.1の責任候補遺伝子としてオーキシン関連遺伝子が見出された.一方,qFem6.1 の責任候補遺伝子としてシロイヌナズナCLV1 のホモログが見出された. 抽苔性制御に関わる二つのQTL領域から見出されたFTホモログ(合計3コピー)は,いずれも花成促進の作用を備えていることが強制発現株の解析から示唆された.しかし,当該FTホモログの1コピーはホウレンソウにおいてほとんど発現していないので,QTLの責任遺伝子である可能性は低いことが示唆された.一方,残りの2コピーに関しては,長日条件下における発現量が日周変動しており,QTLの責任遺伝子である可能性が示された.
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