2021 Fiscal Year Research-status Report
抵抗性育種のためのオオムギ縞萎縮病抵抗性遺伝子の同定
Project/Area Number |
21K05536
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
大野 陽子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 主任研究員 (00546369)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | オオムギ縞萎縮病 / オオムギ縞萎縮ウイルス / 抵抗性育種 / 抵抗性遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
オオムギ縞萎縮ウイルス検定圃場で栽培した、栽培オオムギ品種と罹病性品種(コントロール)の計40品種をオオムギ縞萎縮ウイルス抗体を用いてELISA検定した結果、罹病性品種で感染シグナルが得られなかった。一方、同圃場はムギ類萎縮ウイルス圃場でもありオオムギに感染する。そこでムギ類萎縮ウイルス抗体を用いてELISA検定したところ、罹病性品種でシグナルが検出されたが、例年ほぼ100%のところ今年は50%の感染率と弱かった。オオムギ縞萎縮ウイルス抗体の検討や、環境に左右されない方法やより感度の高い方法で評価する必要がある。 抵抗性遺伝子が、どの器官で機能するか、また根部と葉部では機能に差があるのかは、殆ど報告がない。そこで既知のオオムギ縞萎縮ウイルス抵抗性遺伝子を保有する品種(rym1~19)と罹病性品種を 上記圃場へ播種し、各品種の根と葉でのウイルス量をqRT-PCRで定量した。その結果、16品種が根と葉の両方で抵抗性、10品種が根で感受性にも関わらず葉で抵抗性、9品種が根でも葉でも感受性と判定され、各器官で機能する抵抗性遺伝子(rym)は異なることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既知の抵抗性遺伝子(rym)の器官別の抵抗性を明らかとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
同じ罹病植物サンプルについて、ELISA解析によるウイルスタンパク量とqRT-PCR解析のウイルスRNA量の結果を相関図で比較したところ、qRT-PCR解析のほうが検出感度が高いことが明らかとなった。そこで(感染に影響を与える天候等に左右されにくい)人工環境下での栽培と、(抗体のできに左右されにくい)qRT-PCR解析での評価を検討する。
|
Causes of Carryover |
保有していた試薬で賄える部分があり酵素などの購入が予定より少なくなった。当初想定していた解析より、次年度は高価な試薬を利用する解析のため試薬代に使用する計画である。
|