2023 Fiscal Year Annual Research Report
Weed control using apple snails in paddy fields
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21K05544
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
阿部 淳 東海大学, 農学部, 教授 (60221727)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スクミリンゴガイ / 水稲 / ジャンボタニシ除草 / けい酸 / 育苗 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては,スクミリンゴガイが生息する水田では,外来雑草のホソバヒメミソハギが優占する傾向がみられた.ホソバヒメミソハギが,スクミリンゴガイにより食害を回避する機構については,明らかにできなかった. 研究機関全体を通しての成果は以下の通りである. スクミリンゴガイによる食害を少なくするには,(1)稚苗よりも中苗や成苗で移植する,(2)にこまるなどの食害されにくい品種を用いる,(3)育苗時の窒素肥料は適量に留める,(4)育苗時にけい酸資材を投与する,などの方策があり,とくに,けい酸資材の利用が,イネ苗を硬くし,移植後の食害を軽減するのに有効と考えられた. このほか,収穫(稲刈り)後は,耕起せずに土壌が硬いままにしておくことで,水田土壌内で越冬するスクミリンゴガイの個体数を減らすことができ,水田内の周縁部に明渠を設けることで,越冬するスクミリンゴガイを明渠に集めることができる.その上で,明渠に集まったスクミリンゴガイを駆除するのが効果的と考えられる. 熊本県では,自然農法の農家を中心に,スクミリンゴガイに雑草の実生を食べさせて除草することが行われているが,そうした水田でも,イネも食害にあって減収の要因となることが多い.上述のような,冬場の圃場管理で,スクミリンゴガイの個体数が過剰になることを抑止し,育苗法を改善することで,イネ苗の食害を軽減することによって,適正な「ジャンボタニシ除草」が行えると考えられる.
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Research Products
(1 results)