2021 Fiscal Year Research-status Report
新しい畦畔管理としての火入れの実態解明と芝生畦畔の導入
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21K05550
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
伏見 昭秀 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (90355230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池村 嘉晃 静岡県農林技術研究所, 静岡県農林技術研究所, 研究主幹 (20827159)
清水 裕太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 主任研究員 (50625829)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 農村 / 畦畔管理 / 火入れ / 芝生畦畔 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では農村の畦畔における火入れの実態調査、芝生畦畔における火入れが畦畔植生に及ぼす影響を明らかにすることを主目的とする。 1)「畦畔火入れマップ」の作成 中国地方の中山間地域を通る①広島中央(福山~東広島ルート:市街地、農業生産地帯)および②中国山地(福山~松江ルート:瀬戸内海地域と日本海地域)を対象に行う。令和3年9月~令和4年5月の1か月間隔で、①広島中央ルート沿いを乗用車で移動し、車窓から見える範囲において、火入れ跡をデジタルカメラで撮影し、得られた画像、Exif情報、緯度経度(WGS84)情報によりマッピングした。②中国山地ルートには未着手。 2)「シバ、センチピードグラスの火入れに対する生育反応」の解明 西農研・天神地区の芝生畦畔(天端長96m、法長5から6m、斜度35~40°、法面は南向き)で行った。試験配置は2要因分割区法で、1次要因は草刈り、2次要因は火入れ。前年の9月下旬に草刈りを行い、2月中旬に火入れを行った。火入れ、草刈りともに、有り無しの2水準、反復数は4とした。全区で天端長6m、法長5~6mとした。植生調査を火入れ後から2週間隔、ライントランセクト法でシバあるいは雑草の草高を5月下旬の草刈りまで調査した。なお、9月の草刈り時、火入れ時にはドローンによる空撮を行い、両処理が草量、温度変化等に及ぼす影響を解析するための画像データを入手した。 3) 参画者の3名に大学の有識者を1名加え、毎月1回60分程度の、「火入れ研究検討会」をweb会議で計8回行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍で県外への出張が難しく、1)「畦畔火入れマップ」の作成のうち、①広島中央ルートは順調にデータを収集したが、②中国山地(福山~松江ルート:瀬戸内海地域と日本海地域)が未着手である。一方、2)「シバ、センチピードグラスの火入れに対する生育反応」の解明に関わる所内の火入れ試験等については、画像解析による火入れ時の温度変化の把握等を含めて順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策としては、基本的に研究計画に沿うが、web会議「火入れ研究検討会」の内容を取り入れ、研究をまとめる上での論文作成等では、農村における生産者の畦畔管理に対する意識や火入れへの認識なども考慮して行う方向である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の為、旅費については県外への出張調査等が実施できず、また、備品購入ついては現地での備品設置の場所等の決定が滞り、関連の最新機器の情報収集に留まった次第である。今年度は旅費については、昨年調査のところでは2回目調査、未実施だったところは、コロナの状況によるものの1回目の調査を予定している。一方、備品等の購入については、現地でのデータ収集が難しいことを考慮し、西日本農研内の調査地において、最新機器を用いて関連の精密データを揃える。以外においては、西日本農研内における芝生畦畔における火入れ研究等を当初の計画どおりに実施する。
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