2021 Fiscal Year Research-status Report
バラ樹体内での物質動態からみた花弁肥大誘導機構の解明と切り花品質の改善
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21K05561
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 邦夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (30345871)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 花弁成長 / 茎流速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
バラ切り花には樹上の花と比べて観賞期間が短く,大きく咲ききらないといった問題がある.開花現象は花弁細胞へ水が流入することによる花弁組織の肥大長であるが,茎から花弁への水の流れについての詳細は明らかではない.本研究では,切り花の花柄部の水の流れについて,蒸散量および茎流速度を蒸散流センサーを用いて詳細に解析した. 実験材料は,バラ‘サムライ 08’(Rosa‘MEIKATANA’)を用いた.バラ切り花の花柄部における水の流れの測定を測定したところ,蒸散量は明期に入ると急激に増加し,暗期に入ると抑えられた.一方,茎流センサーを用いた測定では,茎流速度は明期が始まる前にも上昇していたことから,光照射による著しい花弁成長の前に花器官への水の流入が示唆された.また,蒸散量は1回目の測定に比べ減少する傾向があり,暗所の冷蔵室での数日間にわたる保存は蒸散に伴う吸水量も減少させるのではないかと考えられる. 本研究により,収穫後の切り花における開花に伴う水の変動の特徴について基礎的知見を得られたことから,今後切り花の冷蔵保管のあり方や前処理剤の添加方法について検討していきたい.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで詳細な計測が行われてこなかったバラ花柄部での水の流れと開花との関係について,詳細な解析ができた.花弁組織への水の流入時期がこれまでの予想に反して明記開始前に起こっている可能性が示唆される結果となり,今後の研究に大きな影響を与えるものである.
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究では植物ホルモンの処理により開花に影響が見られたが,その効果の程度などは定かではない.次年度においては,開花中のバラ花弁の植物ホルモン含量を網羅的に解析する予定である.具体的には,バラ‘サムライ 08’(Rosa‘MEIKATANA’)を用い,樹上と切り花での開花中の花弁における植物ホルモン(各種サイトカイニン類,ジベレリン類,ABA,サリチル酸,オーキシン,ジャスモン酸)について網羅的に定量分析を行い,開花に伴う植物ホルモン変動について基礎的知見を得る.さらにその知見により,バラ切り花への植物ホルモン処理の組み合わせを検討する.
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Research Products
(2 results)