2022 Fiscal Year Research-status Report
ナスCMSの新規開発およびCMSと組換え型葉緑体DNAの遺伝様式
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21K05566
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
一色 司郎 佐賀大学, 農学部, 教授 (40253588)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナス / CMS系統 / Solanum gilo / 花粉形成不全型 / 戻し交雑 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、以下の3つのことを計画した。1)ナス属野生種Solanum giloの細胞質を用いてナスのCMS系統を育成する。2)ナス属野生種Solanum macrocarponの細胞質を用いてナスのCMS系統を育成する。3)Solanum virginianum とナスの戻し交雑の後代の実生について細胞質DNAの分析を行う。3つとも研究途中であるが、1)のナス属野生種Solanum giloの細胞質を用いてナスのCMS系統の進捗状況が最も高く、良い結果が得られたの報告する。 Solanum giloの細胞質をもつCMS系統第五代で、花粉および花粉四分子は見られず花粉形成不全型雄性不稔性を示していた。結果率はBC4が57.1%に対し、BC5は60.0%、1果あたりの種子数はBC4が88.9個に対し、BC5は43.3個であった。平均としては低いが、100個を超えるものもあり、高い種子稔性を示した。果実の大きさはナスS. melongena ‘Uttara’が縦径6.7cm、横径3.7cmに対し、BC5が縦径6.7cm、横径2.7cmであった。また、S. giloの細胞質をもつCMS系統第五代の葉緑体、ミトコンドリアはS. giloと同じ制限パターンを示していた。また、BC5の花器の構造は、花粉親である'Uttara'と葯内に花粉がないこと以外は、'Uttara'と同一であった。 以上の結果、S. giloの細胞質をもつCMS系統第五代の果実の大きさはナスS. melongena ‘Uttara’と比べて差が無く、結果率および1果あたりの種子数は概して増加していたことから種子稔性が高くなっていると言える。CMS系統後代は、花粉を全くもたない雄性不稔系統であるといえる。現在、これらのデータを論文にするため、投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、以下の3つのことを計画した。1)ナス属野生種Solanum giloの細胞質を用いてナスのCMS系統を育成する。2)ナス属野生種Solanum macrocarponの細胞質を用いてナスのCMS系統を育成する。3)Solanum virginianum とナスの戻し交雑の後代の実生について細胞質DNAの分析を行う。3つとも 研究途中であるが、一番重要な課題である、1)のナス属野生種Solanum giloの細胞質を用いてナスのCMS系統の進捗状況が最も高く、良い結果が得られてい る。したがって、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、以下の3つのことを計画した。1)ナス属野生種Solanum giloの細胞質を用いてナスのCMS系統を育成する。2)ナス属野生種Solanum macrocarponの細胞質を用いてナスのCMS系統を育成する。3)Solanum virginianum とナスの戻し交雑の後代の実生について細胞質DNAの分析を行う。3つとも 研究途中であるが、一番重要な課題である、1)のナス属野生種Solanum giloの細胞質を用いてナスのCMS系統の進捗状況が最も高く、良い結果が得られてい る。今後は、1)だけでなく、2)と3)についても成果を出していく予定である。
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Causes of Carryover |
人件費・謝金が他の予算で賄うことができたので、次年度に繰り越す。
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