2023 Fiscal Year Research-status Report
ウイルス進化推進力分析から未来進化予測の基盤を構築する
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21K05601
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
大島 一里 佐賀大学, その他部局等, 理事 (00176869)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 分子進化 / 病原体未来進化予測 / ポティウイルス / カブモザイクウイルス / ジャガイモYウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代型研究である病原体未来進化予測の基盤を構築することを目的として研究を遂行してきた。具体的には,これまで応募者が独自に蓄積してきた分子進化情報に加えて,農作物や人類の移動経路を考慮しながら,ウイルス病原体が起源地からハブ地である発生中心地にどの時代に移動し,その後世界各地域にどのような経路で拡散していったのか,また我が国にどのような経路で侵入し,国内でどのように循環しているのかなど解明してきた。即ち全国規模そして地球規模での視点から分子進化を明らかにすると共に,これまで課題として残されてたウイルス病原性進化に関わった推進力をウイルス種並びに属レベルまで明らかにして,病原体未来進化予測の基盤を構築することを目指した。 ポティウイルス種の代表的な種としてジャガイモYウイルスや世界中に分布しているカブモザイクウイルス(TuMV)が挙げられるが,今年度はそれらゲノムの大量情報について,さらにはTuMV分子系統グループに存在するスイセンウイルス,ネギ属ウイルスそしてポティウイルス属全体に焦点を当て,突然変異並びに組換えの進化推進力そして宿主適応などの分子進化情報について,進化速度から爆発年代進化や拡散を世界規模で分析してきた。特にTuMV分子系統グループのウイルス集団並びにTuMV集団に焦点を再度当て,補足しなければならないウイルスゲノムの塩基配列について,新しく開発された最新の組換え検出プログラムを用いて再解析を行い,分子疫学的及び進化的な知見をもとに病原性進化を再分析評価し,応募者が積み上げてきたゲノム情報と合わせて未来の病原体の未来進化予測の基盤構築を行った。最終的には国内外に発生しているウイルスの拡散や侵入年代の再推定を行い,植物ウイルスとしてこれまでにない膨大な集団を用いた再分析となり,今後投稿論文として予定している公表に可能なデータを揃えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
公表を予定している投稿論文のデータを揃えられることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿予定の論文に必要な進化学的な解析を再度精査して,原著論文を投稿すると共に,目的としているウイルス分子進化推進力分析から未来進化予測の基盤を構築する。
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Causes of Carryover |
研究データは蓄積されたが,投稿論文が受理されていないために,オープンアクセスなどの投稿料が必要である。
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Research Products
(7 results)