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2021 Fiscal Year Research-status Report

トマトかいよう病の感染拡大シミュレーションモデルの確立

Research Project

Project/Area Number 21K05606
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

川口 章  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (80520486)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsトマトかいよう病 / SIRモデル
Outline of Annual Research Achievements

トマトかいよう病はトマトの安定生産を脅かす難防除病害であるが,圃場ごとに発病開始から感染の拡大,感染の終息の時期は異なるため,一律の防除対策が圃場ごとに適合せず,生産者は防除対策に苦慮している.そこで,既存の疫学モデルを活用して,栽培規模の異なる圃場ごとに発病の推移をシミュレーションできるモデルの開発を試みた.
トマトへの病原細菌の接種試験等を行い,感染確率が0.75であること、また、発病までの平均期間が12日であることを明らかにした。実際の複数の現地圃場での発病推移のデータを元に,本病の感染確率,接触頻度などのパラメータを決め,感染症疫学における微分方程式モデルであるSIRモデルに当てはめて検討した結果,SIRモデルは実際の現地圃場3圃場における発病推移の平均値とよく一致していた.そのSIRモデルによるシミュレーションによると,感染拡大の指標となる基本再生産指数R0は2.6,実行再生産指数Rt<1.0になるのは発病開始日から61日後であると推定された.
また,感染確率および感染から発病までの期間を定義するパラメータについて,その95%信頼区間に基づいて少発生レベル,中発生レベル,多発生レベルを示すSIRモデルも合わせて構築した.
さらに、管理作業における病原細菌の伝染を抑制するための,剪定ハサミの消毒効果についても接種試験で明らかにした.防除効果として,防除価80から90程度を示した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

R3年度中に、トマトかいよう病のSIRモデルの基礎モデルを確立することができたため。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究計画では、SIRモデルを構築したのち、パラメータの調整を行いつつ、実際の発生現場における発病レベルにフィットするようなモデルへの改良を加えていく予定であったが、SEIRモデルの再検討も同時並行で行う。病原菌の伝搬ができない状態の潜在感染株から、伝搬可能な状態の潜在感染株への移行にかかる期間を調査し、現場の発生レベルに合わせることが可能なSEIRモデルの構築を行う。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染拡大のため、県を越える移動に制限がかかり、現地生産者の圃場への調査ができなかったため、旅費の執行がなかった。また、研究センターへの出勤についても在宅勤務等テレワークによる出勤制限もあり、データ解析やシミュレーションモデルの開発以外の研究室での実験や圃場試験も制限が生じ、物品の調達が予定より少なかった。令和4年度は当初予定していた現地調査、実験等を行う予定であり、また、本病の発生が増加している県への出張も追加で実施する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] トマトかいよう病の発生拡大シミュレーションモデルの検討2022

    • Author(s)
      川口 章・北林奨也
    • Organizer
      令和4年度日本植物病理学会大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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