2023 Fiscal Year Research-status Report
侵略的集団をもつアリ類におけるモルフォメトリーとMIG-Seq法による解析
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21K05616
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
細石 真吾 九州大学, 熱帯農学研究センター, 助教 (80571273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 克之 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (30523419)
クロニン アダム 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (30620489)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アリ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
アジア地域に広域に分布するアリ類のうち、アシジロヒラフシアリTechnomyrmex brunneus種群とオオハリアリBrachyponera chinensis種群について、マレーシアのボルネオ島で野外調査を行ない、、DNA解析に必要な新鮮な10以上のサンプルを得ることができた。また、東北地方や関東地方、中部地方、東海地方と日本各地においても広範な地域で野外調査を行ない、広域分布種群のアリ類の追加サンプルを入手することができた。それらはこれまでに東南アジアで得られた乾燥・液浸サンプルと合わせてDNA抽出やシーケンスを行うためにサンプル状態を確認して整理した。東南アジアに広く分布する固有種群に関する生物地理学的解析と祖先形質復元を行い、起源地の推定を行った論文を出版した。この成果を広域分布アリ種群に適用して、本来の起源地の推定や今後の分布拡大経路の解明に利用していくデータを得ることができた。マレーシアで開催された国際学会に参加して東南アジアの研究者と意見交換を行い、有効な解析手法について具体的な議論を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来の課題であった東南アジア地域の新鮮なサンプルをマレーシアのボルネオ島での野外調査で得ることができた。これまでのベトナム、カンボジア、タイ、マレー半島でのサンプルを一括して解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに蓄積した乾燥・液浸サンプルのDNA抽出とシーケンスを一括して行い、具体的に形態計測とDNA解析に進む予定である。サンガーシーケンスとMIG-Seq法の解析を同時に行い、広域分布種群の系統関係を明らかにしていく。また、整理された数百サンプルの外部形態のデジタル計測を行い、クラスター解析から隠蔽種の存在を明らかにする。得られた成果を学会発表や論文発表としてまとめて公開していく予定である。
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Causes of Carryover |
微細構造の形態計測と観察を行うために実体顕微鏡を購入した。DNA解析用の費用については次年度配分額と合わせて検討済みである。
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