2023 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of indigenous Agu pigs based on their gut microbiome
Project/Area Number |
21K05636
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
和智 仲是 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教 (40635299)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 在来家畜 / アグー / 腸内細菌叢 / メタバーコーディング / メタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、宿主特異的な腸内細菌群に着目し、在来家畜の特徴的な性質を説明することを目指す。そのために、日本唯一の在来豚であるアグー豚の「粗食で育つ」という性質に関連する腸内細菌群を探索する。具体的には、複数の環境下のアグー豚の糞中DNAのメタバーコーディング解析をもとに、類似性検索により腸内細菌叢の構成を明らかにする。相対頻度から中心的な役割を担う細菌群を特定するとともに、西洋品種の腸内細菌叢と比較することで、アグー豚に特異的な細菌群を見出す。近縁種のゲノム情報との比較による予測メタゲノム解析もしくは実際のショットガンメタゲノム解析により、見出された細菌群の生理機能を推定する。一連の研究を通して、アグー豚のような地域固有の在来家畜それ自体だけでなく、その腸内細菌も遺伝資源として貴重であることを示唆することを目指す。 本年度は、新たに追加した試料はなかったため、これまで得られたデータを元にした解析や得られた結果の解釈に注力した。 研究期間全体を通しては、当時沖縄県内で登録されているアグー個体のおよそ10%にあたる個体の糞便試料(2研究機関・5農家の合計111個体)を収集することができ、また、糞便を元にした細菌叢メタバーコーディング解析の実験系をほぼ確立することができたと考えている。その一方で、コロナ禍や研究代表者の所属の異動などの理由により、当初予定していた研究環境や研究体制の整備に時間がとられてしまい、目標である予測メタゲノム解析もしくはショットガンメタゲノム解析まで期間内に行うことができなかった。今後、得られたデータを詳細に解析するとともに、論文化を目指す。
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