2021 Fiscal Year Research-status Report
保全遺伝学的手法とGPSテレメトリー法を用いた人の生活圏に定着化したヒグマの研究
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21K05637
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
伊藤 哲治 酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (70751931)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒグマ / 保全遺伝学 / 個体間関係 / アーバンベア / GPSテレメトリー / 農業被害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、人の生活圏に繰り返して出没・定着(アーバン化)したクマ類の出没と被害が増加している。しかし、クマ類のアーバン化に関しては、その要因は明らかとなっていない。 本研究は、これまで明確な知見を得ることが難しかったクマ類のアーバン化の要因について明らかにすることを目的として、ヒグマを対象に遺伝子情報から、アーバン化と個体間の血縁は関係しているか、生息密度とアーバン化の関係性、そして分集団の分布と個体の移動傾向を明らかにする。また、GPSテレメトリーの情報から、アーバン化した個体の季節的な環境利用と行動圏、行動や活動パターンを明らかにし、遺伝的情報と組みわせて解析することにより、人の生活圏への定着と移動分散の傾向について新たな知見を得ることを目的とする。 2021年度は、2箇所の圃場にてヒグマ捕獲檻を設置した。その結果、2頭(オス1頭、メス1頭)のヒグマを捕獲し、GPS首輪型発信器を装着した。現在、10-12月の行動追跡の情報が得られている。ヘアトラップ調査では、調査地内の圃場および森林内にて調査を実施し、約500試料(体毛)を得た。試料を選別しDNAを抽出し、現在、マイクロサテライトDNAによる分析を実施している。個体識別により、調査地内のヒグマの個体数および圃場および森林を利用する個体および個体間関係について解析を進めていく予定である。 本研究により、クマ類のアーバン化について、要因解明が期待できると考える。また、科学的根拠に基づく野生動物の管理の促進およびアーバン化したクマ類への現地対策のための有益な情報となるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度の準備、特にGPS首輪型発信器の購入およびヒグマ捕獲用の檻の作成が、コロナ渦の影響により遅れた。そのため、学術捕獲の実施は9月以降の実施となった。 ヘアトラップ調査に関して、調査地とは別の近隣地域にてヒグマによる人身事故が発生したために許可が滞り、当初6月から調査開始の予定であったが、7月下旬の開始となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の調査では、関係各所に調査実施について早期に報告・依頼をしているため、許可等については2021年度よりは円滑に進めることができると考える。 GPS首輪型発信器の購入に関して、現在のコロナ渦および世界情勢の影響がある可能性があるので対処していきたい。 GPSテレメトリー調査およびヘアトラップ調査の結果を、2022年度内に取りまとめ、学会発表等をしていきたい。
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Causes of Carryover |
2022年度にGPS首輪型発信器を追加で購入予定としているために、2021年度の予算を繰り越した。
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