2021 Fiscal Year Research-status Report
The resilience study about the windthrow in satoyama due to super storm typhoons
Project/Area Number |
21K05650
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 達明 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (40178322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 輝昌 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (20291297)
加藤 顕 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 准教授 (70543437)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 森林風倒害 / 台風 / レジリエンス / サンブスギ林 / マテバシイ林 / ランドスケープ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年房総半島台風(台風15号)による広葉樹林の風倒被害について、ランドスケープスケールでは以下の成果があった。広域スケール(南房総市、館山市)の航空写真(解像度1m)分析結果から、植生では、マテバシイ林でもっとも風倒害が発生し、スダジイ林では潮風害は起きるが、風倒害は起きにくいこと、タブノキ林ではあまり被害が発生していないことがわかった。地形的には、海岸から近い山地・丘陵地の斜面で風害が生じやすかった。また、瞬間最大風速46.1m以上の猛烈な風が吹いたと考えられる場所で風害が起きやすかった。林分地区スケール(大房岬)の毎木調査と航空写真(解像度10cm)の分析結果から、標高が高く凸状地形で樹木の胸高直径が大きいほど風害が起きやすいこと、海からの強風が吹きつけた南東から南西の向きの斜面で風倒が起きたことがわかった。 林分スケールおよび個体スケールの研究では、以下の成果があった。山武市のサンブスギ林調査区では、サンブスギの幹折れ被害率は33 %で根返りはなかった。形状比75以上では、溝の面積に関わらず必ず幹折れしていた一方で、形状比50から75の範囲では、溝の面積率が大きいほど幹折れが生じやすい傾向が見られた。従ってサンブスギでは、高い形状比が幹折れの主因だが、非赤枯性溝腐病による幹の腐朽も要因であることを示唆した。南房総市大房岬の有効土層が浅い凸状斜面調査区の林分では、マテバシイの風倒株被害率は79 %だった。風倒株のうち79 %は根返りだった。同凹状斜面調査区の林分では,マテバシイの風倒被害率は65 %で、風倒幹のうち85 %は幹折れによるものだった。 生態系回復研究では、南房総市の大房岬自然公園内で倒木被害が深刻な凸状斜面に倒木残置区、マテバシイ萌芽除去区、倒木残置植栽区、倒木除去植栽区の4つの試験区を設定し、倒木のない対照区である非撹乱区と比較できるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症流行が続いたため、初年度予定していた沖縄における現地調査を行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
沖縄における現地調査は、本年度行える予定である。それ以外の計画については、概ね予定通り進んでいるので、当初の計画通り推進することを予定している。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症流行によって、令和3年度に予定していた沖縄調査ができなかったため、令和4年度に延期して実施することとした。
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Research Products
(8 results)
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[Book] 新版 生態工学2021
Author(s)
亀山 章、倉本宣、佐伯いく代、小林達明 ら
Total Pages
160
Publisher
朝倉書店
ISBN
9784254180602