2023 Fiscal Year Research-status Report
Production of low-cesium mushrooms based on the genes analysis
Project/Area Number |
21K05679
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
小松 雅史 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (90737313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 安将 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40343800)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | セシウム / 栽培きのこ / 低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
きのこの放射性セシウム(Cs)濃度は他の一般食品と比べ高い傾向にあり、福島第一原子力発電所事故以降、野生品・栽培品ともに基準値を超えるリスクがあり、低減策が求められている。本研究はナメコを材料として、Cs濃度の低い、または高い株を用いてその関連する遺伝的な機能をRNA-seq解析によって網羅的に明らかにすることを目的としている。 R4年度にナメコ野生株43株の冷凍子実体のスクリーニングを行い、安定同位体Cs(133Cs)濃度について菌株によって最大20倍の濃度差があることを確認した。また濃度の極端に高い株、または低い株はCsと同族のルビジウム(Rb)の濃度比が異なっていた。これまでの分析では通常RbとCsの濃度比が一定になっていたが、これらの株ではRbとCsで異なる吸収メカニズムが発揮された可能性が示唆された。 R5年度はこれらの菌株から、子実体の133Cs濃度が高かった株(Cs高吸収能候補株)と低かった株(低吸収能候補株)および通常であった株(対照株)についてそれぞれ2株ずつを選抜し、再現性を確認し、栽培後にRNA-seq解析を行うため各株を3反復で菌床栽培を行った。 発生した子実体と菌床をそれぞれ乾燥後硝酸および過酸化水素で湿式灰化し、ICP-MSによって133Cs濃度を分析し、移行係数(各検体の子実体と菌床の133Cs濃度比)を算出した。その結果、高吸収株の1つと対照株の1つで移行係数が他の株よりも高い結果が得られた。しかし株ごとの濃度比は最大3.8倍とR4年度の20倍よりも小さく、当初の株ごとの濃度の高低は再現されなかった。また、Cs/Rb比についても株によらずほぼ一定で特異的な値の高低は認められなかった。当初候補株の吸収能を確認した上でRNA-seq解析を行う予定であったため、同解析の実施は今回見送った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来今年度で終了予定であったが、研究期間を1年延長することとした。これまでの試料の再分析を行う。Cs/Rb比に差は認められなかったものの、移行係数に株間差が認められたことから、これらCs濃度に差が認められた検体を用いてRNA-seqを実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
R5年度の栽培試験およびICP-MS分析によって得られた133Cs濃度が高い・低い株についてRNA-seq解析を行い、Cs吸収に関与する遺伝子の探索を行う。 セシウム吸収に関与が示唆された遺伝子の組換え試験を行い、低吸収株/高吸収株の検証を行う。
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Causes of Carryover |
RNA-seqを行うための予算を確保していたが、R5年度に行った栽培試験ではR4年度のスクリーニングされた菌株の濃度特性が再現されず、次年度に延長してたため。
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