2023 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of high soil temperature in tropical degraded lands on tree water and nutrient uptake
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21K05683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
則定 真利子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (00463886)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高温ストレス / 窒素吸収 / アンモニウム / Melaleuca cajuputi / Acacia mangium / Eucalyptus camaldulensis / Syzygium / 根圏低酸素ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
Melaleuca cajuputiのアンモニウムの同化・転流に高温が与える影響を窒素安定同位体(15N)で標識したアンモニウムを用いて水耕実験系で調べた。30℃/25℃の植物育成装置で栽培したM. cajuputi実生を供試した。15N曝露とその後の転流のそれぞれの時の水耕液の温度を30℃あるいは40℃に設定した。転流時の温度については、処理時間として短時間(3時間40分)と長時間(17時間40分)の2種類を設けた。15N曝露時と転流時の温度の組み合わせで4処理区を設定した。対照区では、15N曝露も転流も30℃で実施した。器官ごとに15N濃度を安定同位対比質量分析装置で測定し、15N吸収量と地上部への転流量を評価した。アンモニウム吸収速度は、40℃で30℃に比べて高かった。これまでに得ている結果と一致しており、再現性が確認された。吸収された15Nのうち地上部に転流した割合は、吸収時の温度にかかわらず、転流時の温度の影響を受けなかった。転流時の温度の処理時間の影響も認められなかった。吸収だけでなく、吸収されたアンモニウムの同化・転流についても本種に高温ストレス耐性が備わっていることが明らかとなった。 Acacia mangiumのアンモニウム吸収の温度応答性を水耕実験系で調べた。A. mangiumのアンモニウム吸収は40℃や45℃下でも阻害されず、1日4時間の40℃の高温処理を根系に1週間施すと40℃、45℃下での吸収速度が促進された。 M. cajuputiとSyzygium属3種を対象に、35℃の高温と低酸素との複合ストレスへの応答を調べた。いずれの種も好気環境では高温の影響は認められなかった。低酸素環境では、S. cinereumとS. grandeでは根のエネルギー状態が高温により悪化したが、M. cajuputiとS. kunstleriでは影響がなかった。
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