2021 Fiscal Year Research-status Report
Aerial Bitterlich's method: Development of the simple forest inventory method using a drone
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21K05690
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
井上 昭夫 近畿大学, 農学部, 教授 (80304202)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ドローン / 針葉樹 / 人工林 / 森林計測 / 森林調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,針葉樹の人工林を対象として,UAV(ドローン)を用いた実用的な森林調査法を開発することにある。 令和3年度には,まず,これまでの国内外におけるUAVを用いた森林計測に関する先行研究をレビューし,①単木レベルの詳細な情報を把握しても,現在の森林管理の水準では,その情報を十分に活かすことができていないこと,②UAVによって直接計測できるのは樹高と本数の情報であり,胸高直径や幹材積は間接推定に頼らざるをえないことを明らかにした。このような問題点を受け,ビッターリッヒ法を樹高推定に応用した平田法を,本来の地上からではなく,ドローンを用いて空中から行い,林分の平均樹高と林分密度を推定しようとする「空中ビッターリッヒ法」の理論を考案した。また,この方法によって推定した上層木平均樹高と林分密度から,林分の平均胸高直径を推定するためのモデルを開発した。このモデルは,樹幹表面積の保存則(Inoue and Nishizono, 2015)や樹幹表面積の推定モデル(Inoue, 2004)など,研究代表者のこれまでの研究成果をもとにしている。そして,平均樹高と平均胸高直径の値をもとに,個体の樹高から個体の胸高直径を推定するための樹高-直径曲線モデルを構築した。このモデルは,樹高-直径関係の対数非線形性を考慮したNiklas and Spatz(2004)と階層構造を考慮した樹高曲線モデル(Inoue and Yoshida, 2004)を統合したものである。さらに,これらのモデルのパラメータ決定と精度検証に必要となる地上調査データを文献から収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
空中ビッターリッヒ法と胸高直径の推定モデルの両方について,理論を構築できたことに加え,文献資料より理論の構築に不可欠な林分調査データを収集できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に考案した空中ビッターリッヒ法について,立木位置図を用いたシミュレーションによって,その妥当性を検証する。また,開発した平均胸高直径の推定モデルについて,令和3年度に収集した文献データをもとに,パラメータの決定と精度の検証を試みる。さらに,令和5年度に予定している,現実林分での検証のために,UAVによる針葉樹人工林の空撮データを取得する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のため,森林調査を実施できないことが自明であったため,維持費を要する機器やソフトウェアの購入を見送ったことに加え,森林調査や学会出張,研究打ち合わせの旅費が不要となったため。
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Research Products
(5 results)