2023 Fiscal Year Annual Research Report
シイタケゲノム編集技術の確立と子実体保存性関連遺伝子の解析
Project/Area Number |
21K05700
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 利次 北見工業大学, 工学部, 教授 (00390881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シイタケ / ゲノム編集 / sgRNA / Cas9 / RNP / lcc1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シイタケにおいて交配可能かつ形質転換効率の高い1核菌糸を単離し、その株でCRISPR/Cas9によるゲノム編集技術を確立することと、子実体の保存性に関与する遺伝子を破壊してその機能を解析し、最終的に実用化可能な株を取得できる育種法を確立することである。 CRISPR/Cas9によりゲノム編集を行うためには、Cas9タンパク質と1本鎖のガイドRNA(sgRNA)コードした遺伝子を発現させるベクターを導入する方法と、外来遺伝子を残さないCRISPR/Ca9 Ribonucleoprotein(RNP)を利用するゲノム編集の2種類の方法がある。前者は組換え体となるが、後者は育種株の実用化が可能な手法となる。今回我々は、後者の手法による方法の確立を目指していることから、必要な1本鎖のガイドRNA(sgRNA)法によりlcc1遺伝子のCRISPR/Ca9 RNPによる遺伝子破壊を試みた。そのために、昨年設計したラッカーゼ1(lcc1)遺伝子のsgRNAを利用し、ドナーベクターを利用した相同組換えによるlcc1遺伝子の破壊を試みた。 選抜マーカー遺伝子としては、シイタケの内在性遺伝子であるsdc-ipに1塩基変異を導入して1アミノ酸変異を導入させたカルボキシン耐性遺伝子カルボジキシン遺伝子cbxを利用した。ドナーベクターとして、lcc1遺伝子の構造遺伝子領域カルボキシン耐性遺伝子(cbx)に入れ替えた遺伝子断片を設計した。ドナーベクターとpL-CbxはREMI法により、またドナーベクターとCRISPR/Ca9 RNPは別途シイタケに導入した。その結果、ドナーベクターとpL-Cbxではカルボキシン耐性株が得られたが、ドナーベクターとCRISPR/Ca9 RNPではカルボキシン耐性株は得られなかった。現在、ドナーベクターの改変を試みている。また、昨年度設計したsdc-ip遺伝子のcbx遺伝子への改変と、PAM配列を改変したドナーベクターによる、2核株と胞子株等への薬剤耐性遺伝子発現ベクターの導入を試みている。
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