2021 Fiscal Year Research-status Report
高耐久性電気二重層キャパシタに有用な活性炭の製造条件の決定
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21K05701
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
廣瀬 孝 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40556982)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 活性炭 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,長時間使用に伴う電解液の分解等に起因する静電容量の低下や内部抵抗の上昇・悪化が課題となっている電気二重層キャパシタの耐久性向上に関するものである。研究代表者らは,活性炭物性とキャパシタ性能との関係を明らかにするため,ガス吸着用を「追加」賦活し,4種類の斬新的な細孔分布を有する活性炭を作製,耐久性試験(85℃・4500時間)を行った。その結果,1)4種の中で2.1~8.1nm間の孔が少ない活性炭は,静電容量の低下が少なく,2)市販のキャパシタ用よりも4.3~12.1nm間の孔が多い活性炭は,内部抵抗が上昇・悪化しづらいことが分かった。次に,メソ孔の生成を特徴とするりんご剪定枝から活性炭を作製,評価を行った。その結果,1)が少なく,2)が多い活性炭が得られた。 本研究は,メソ孔に立脚したりんご剪定枝活性炭によるキャパシタの耐久性を評価し,メソ孔分布と性能との関係を解明,高耐久性キャパシタ用活性炭を創製することを目的としている。 令和三年度は,既に作製済みの4種類のりんご剪定枝活性炭を酸洗浄,粉砕し,そのpHや粒度分布を測定した。また新たにりんご剪定枝活性炭(収率14.5%)を作製し,キャパシタ用として調整するため,1回から4回の間で酸洗浄し,洗浄回数と灰分との関係等に関して評価した。 その結果,洗浄後のpHは6.3~6.9の範囲となった。また粒度分布は45μm以下が73.4%以上となった。一方,収率14.5%活性炭の洗浄前灰分は12%程度だったのに対して,洗浄回数が増えるに従って灰分は小さくなり,洗浄を4回施すことで灰分は0.8%程度になることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和三年度は、りんご剪定枝活性炭に対して酸洗浄や粉砕を施し,そのpHや粒度分布等を測定することが目的であった。 結果として、洗浄後のpHや粒度分布等の結果を得ることができた,また洗浄回数4回で灰分が0.8%程度になることを見出すことができた。 以上、当初の計画通りに研究を遂行できており、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
令和三年度はおおむね順調に推移したことから、今後も計画通りに推進する方策である。 具体的には、令和三年度に酸洗浄し、得られた活性炭のメソ孔分布等の細孔物性測定やキャパシタ性能試験を行い,細孔物性と性能との関係を明らかにする。
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