2023 Fiscal Year Annual Research Report
リグニンモノマーを起点としたアプローチから解き明かすリグニン由来生物活性の正体
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21K05711
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
重藤 潤 広島大学, 未来共創科学研究本部, リサーチ・アドミニストレータ― (70570852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 祐司 九州大学, 農学研究院, 教授 (30236921)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 植物ペルオキシダーゼ / 人工リグニン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、様々な生物活性を有するリグニンをin vitroで人工的に合成し、その活性構造、化合物を明らかにすることで、リグニンの有する生物活性が発現する機序解明を目的とした。まずは、4種の「リグニン重合ペルオキシダーゼ」のうち、CWPO-Cのリコンビナントタンパク(rCWPO-C)を用いた人工リグニン作製条件を検討した。シリンギル(S)およびグアイアシル(G)型モノマーを、2種類の濃度(64 nMと128 nM)のrCWPO-Cと、1.5 mlと10 mlの系で反応させた。その結果、1.5 mlの系の方が作製効率、再現性が良く重合産物を得ることができた。rCWPO-Cの濃度は収量に影響しなかった。次に、これらの重合産物を用いて、Superoxide dismutase(SOD)様活性測定を行った結果、S型モノマーを重合させた産物(64 nMと128 nMのrCWPO-Cで重合させたどちらも)で、検出可能なSOD様活性を測定することができた。そこで、これらの重合産物を用いて、狭義に活性酸素とされている「一重項酸素」、「スーパーオキサイド」、「過酸化水素」、「ヒドロキシラジカル」の4種類の消去能を測定したところ、全ての活性酸素種の消去能を持つことが示され、生物活性のうち、少なくとも抗酸化活性を有することが明らかとなった。ただし、得られた重合産物は混合物であり、活性本体となる化合物を特定する必要がある。そこで、まずは、混合物を、DMSOへの溶解度の違いによって分画し、各々の画分のSOD様活性測定を行った。その結果、重合反応に用いたrCWPO-Cの濃度2種のどちらにおいても、50%および80%DMSOに溶解した画分において、検出可能なSOD様活性を測定することができた。
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