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2021 Fiscal Year Research-status Report

精漿はより良い稚魚の誕生に影響するのか?サクラマスの受精メカニズムを用いた研究

Research Project

Project/Area Number 21K05752
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

牧口 祐也  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00584153)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsサクラマス / 代替繁殖戦略 / 回避行動 / 精子競争
Outline of Annual Research Achievements

北方に生息するサクラマスの雄には残留型と降海型の2タイプがみられる。降海型に対して体の小さな残留型雄は、自らより有利な降海型雄ペアの産卵行動に横から体を滑り込ませ放精するスニーキングを行う。スニーキングにより、サクラマスの産卵では2タイプの雄において精子競争が行われる。本研究では、稚魚の生存競争に重要な行動特性である回避行動が、雄親の表現型と精子競争の影響を受けるかどうかを検証した。直径30㎝の円柱アクリル水槽の下に鏡を斜めに設置し、反射を利用して水槽内の魚のシルエットを水槽下から撮影できる装置を作成した。また、視界による外界の影響を避けるために光を通す不透明なプラスチック板で囲った。さらに、水槽中央に向けボトルを落とせるよう天井の外側に電磁石を装着し、高速度カメラを用いて1000Hzで回避行動を撮影した。水槽内に飼育水5㎝を入れた後、サクラマスを投入し2分間以上馴致した。その後、PCモニターで実験魚の行動を観察し、実験魚が中心付近に来た際にナットを落として実験魚の回避行動を撮影した。1個体につき2回撮影を行い、水温を一定に保つため実験ごとに水を入れ替えた。応答遅延時間の測定は、刺激が開始されてから脱出反応が開始されるまでの経過時間を応答遅延時間と定義した。ナットとの距離と応答遅延時間に正の相関がみられたため標準化を行った。また、移動距離の測定は撮影した動画を、先行研究を参考にDeeplabcutを用いて解析を行い、頭、重心、尾部の3点の行動軌跡をグラフに置き換え算出した。その結果は、グループ間および生活史間で回避行動に有意な差は認められなかった。しかし、雄親の数の違いで回避行動に有意な差が認められた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

サクラマスの稚魚の行動解析を実施することができた。
今後、降海型と残留型の精子で受精させ誕生した稚魚の父性判定を行い、父親の遺伝的な要素が行動に与える影響について調べる予定である。
具体的には、降海型および残留型の同量の精子で卵を受精させ、稚魚を育成する。市区制した稚魚のマイクロサテライト分析を行い、稚魚の父性を調べる。さらに、使用した精子運動を解析することで、受精成功を決定する要因をあわせて明らかにする。

Strategy for Future Research Activity

稚魚の行動を調べるとともに、精漿が精子運動に与える影響について調べる予定である。
具体的には、サクラマスの成熟期である9月に降海型および残留型から精子を採取し、倒立型顕微鏡を用いてその運動を記録する。さらに、精子を遠心分離することで精漿を抽出し、その精漿が精子運動に与える影響について調べる予定である。

Causes of Carryover

2022年度に913,408円の繰越金が発生した。
理由は、コロナ感染症蔓延による行動制限のため計画していたフィールドワークおよびサンプリングを大幅に縮小させたためである。
2023年度はコロナ感染症の状況を踏まえた上で、2022年を上回るフィールドワークおよびサンプリングを計画している。さらに、稚魚の父性判定を実施するためにマイクロサテライト分析を実施している。この分析にはDNA抽出キットやシーケンス解読などの費用が生じる予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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