2023 Fiscal Year Annual Research Report
The impact of feeding ecology of snapping turtle on inland fisheries, analyzed in terms of feeding damage, competition, and fish disease
Project/Area Number |
21K05754
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高井 則之 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (00350033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間野 伸宏 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (10339286)
柴崎 康宏 日本大学, 生物資源科学部, 助教 (30750674)
桑江 朝比呂 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 領域長 (40359229)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 外来生物 / アメリカザリガニ / 食害 / 胃内容物 / エドワジエラ / コイヘルペス / DNA分析 / 安定同位体比 |
Outline of Annual Research Achievements |
カミツキガメの摂餌生態が内水面漁業に及ぼす影響を検討するため,千葉県印旛沼流域で2020~2023年に捕獲された個体の胃内容物分析,炭素・窒素安定同位体比分析,及び消化管内の病原体検査を実施した.病原体検査は,魚病として問題化しているEdwardsiella ictaluriとコイヘルペスウィルス(KHV)について実施した. 2023年に捕獲されたカメの胃内からは,前年度までと同様にアメリカザリガニが高い頻度で検出された他,魚類,両生類,爬虫類,哺乳類などが検出された.2023年の同位体比分析は主要な餌生物のアメリカザリガニを対象に実施した.8月に印旛沼で捕獲されたザリガニのδ13Cは-27.9~-24.7‰,δ15Nは10.6~14.3‰の範囲にあった.2023年のカメについて前年度に検出されたE. ictaluriの保菌検査を実施した結果,E. ictaluriは検出されなかった. 研究期間全体を通してカメの胃内からはアメリカザリガニが高い頻度で検出されたことから,本水域の餌生物としてはザリガニが特に重要であると考えられる.両種の安定同位体比を比較した結果,河川・農業水路で捕獲された個体同士では捕食-被捕食関係に相当する種間差が認められたのに対し,印旛沼の捕獲個体同士では,そうした関係性は認められなかった.沼内のカメは捕食活動を行いやすい狭隘な河川・水路に移動して摂餌場とする傾向にあったと考えられる.条件付き特定外来生物への指定に伴いアメリカザリガニの分布密度が低下した場合,魚類に対する捕食圧が高まる怖れがあることから,今後もカメの食物源に注視する必要がある.カメの消化管からはKHVは検出されなかったが,E. ictaluriは2022年の捕獲個体から検出された.カメを介してE. ictaluriが拡散されている可能性についても今後注視する必要がある.
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