2022 Fiscal Year Research-status Report
科学を現場に・現場を科学に:水産資源管理の合意形成の加速化ツールの提案
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21K05762
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
市野川 桃子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), グループ長 (30470131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石村 学志 岩手大学, 農学部, 准教授 (50524815)
浜邉 昂平 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(横浜), 研究員 (90896359)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 管理戦略評価 / シミュレーション / 合意形成 / 水産資源 / 資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はMSEのオペレーティングモデル(OM, operating model)と、管理方策(MP, management procedure)に資源評価の不確実性を考慮できるような機能を組み込んだプロダクションモデルベースのMSEを開発した。プロダクションモデルは、漁獲量と資源量指数だけで資源量推定ができる簡便な資源評価モデルであり、データ不足な状況にある我が国の資源への適用が期待されている。一方で、プロダクションモデルによる資源量推定値の不確実性は大きいため、「不確実性が高い資源評価結果をもとに管理した場合でもうまくいくような管理方策」を探索する必要がある。そのため、プロダクションモデルから推定される推定値の不確実性をOMに取り込んだ上で、毎年プロダクションモデルをデータにあてはめて資源量推定するというプロセスもMPの一部として再現した。プロダクションモデルを用いた資源評価は国際的にも関心が高く、本手法の一部の成果について、ローマで行われた国際ワークショップで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の成果を国内の学会誌に掲載するとともに、プロダクションモデルをベースにした新しいMSEの開発もスタートさせた。新しいMSEの開発については想定以上に時間を要したものの、現状ではほぼ完成していることから、概ね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
新しいMSEを実装したウェブアプリの開発を進めたい。ただし、プロダクションモデルによる推定の不確実性をMPに組み込んだため、想定以上に計算時間がかかるようになってしまったことから、ウェブアプリ版はより動作の軽い簡便なモデルを採用する必要性があると考えている。また、今までの成果を論文として公表する。
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Causes of Carryover |
予定していた学会の出張費が別の予算での出張が可能となったこと、英文校閲費については令和4年度中に英文校閲まで済ませる予定だったが、それができなかったこと等により残余が生じた。令和5年度は予定していた英語論文の投稿のための英文校閲や、海外出張にこれらの予算を充てる予定である。
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Research Products
(3 results)