2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K05772
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池永 隆徳 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (50553997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 真司 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50634284)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゴンズイ / 味蕾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、まずゴンズイの触鬚からの細胞の単離を試みた。ゴンズイの触鬚には味蕾の分布に偏りがあることが知られており、進行方向に面した部位で味蕾の密度は高くなっている。上皮の形態や色素の分布から、この味蕾の密度の高い部位は確認することが可能である。そこで、ゴンズイの触鬚を切除して、味蕾が多く存在する面の組織を切り出した後、酵素溶液中でピペッティングにより細胞の単離を試みた。単離した細胞に味蕾に由来する細胞が含まれているかを確認するために、単離した細胞を固定して、味蕾の細胞を標識する抗カルレチニン抗体を用いた蛍光抗体法を施した。この抗体を用いた蛍光抗体法をゴンズイの触鬚全体に施すと、味蕾の細胞は標識されるがその他の上皮の細胞には顕著な標識がみられないことが確認されている。実験の結果、35%程度の細胞が抗体によって標識されたため、単離した細胞群には味蕾に由来する細胞が含まれていることが確認できた。これらの細胞が生存しているかについて、カルセインを用いた生細胞染色を行った。死細胞のマーカーであるDAPIでは標識されず、カルセインによって標識された細胞が観察されたことから、触鬚より単離した細胞が生存しているものが含まれることが示された。また、ゴンズイの摂餌行動解発機構の解明の一環として、脳におけるモノアミン作動性神経の分布についての解析を実施した。チロシン水酸化酵素に対する抗体を用いた蛍光抗体法によって、終脳、間脳、橋などで標識された細胞の集団が観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
味刺激依存的に標識された触鬚の細胞を単離する実験までには至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの実験の結果をふまえ、蛍光色素を用いて刺激依存的に味蕾の細胞を標識する手法によって低pH海水に応答する細胞で発現する遺伝子の解析の実験を進める。
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Causes of Carryover |
他に採択された予算があり、科研費からの物品費等の支出を抑えることができたため。これらの予算は論文の出版に関する費用などに充てる。
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