2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K05772
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池永 隆徳 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (50553997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 真司 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (50634284)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ゴンズイ / 味蕾 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はゴンズイの触鬚を用いて、味蕾が高密度で分布する組織で高い発現を示す遺伝子をトランスクリプトーム解析によって明らかにすることを試みた。生体のゴンズイの触鬚において、味蕾が高密度で分布する吻側部位を識別することが可能である。このことを利用して、麻酔を施したゴンズイの触鬚を切除して、長軸方向に沿って吻側と尾側を切り分けた。これらの組織からそれぞれRNAを精製し、次世代シークエンサーによるRNAシークエンスを実施した。現在、得られたデータより味蕾が高密度で分布している吻側の組織において、尾側の組織よりも高い発現を示す遺伝子の特定を進めている。それらの中には、味蕾で発現している受容体の遺伝子が含まれ、pH感受性を担う受容体遺伝子の候補が存在すると考えられる。また、ゴンズイの末梢の味覚系の形態学的特徴についての解析の一環として、蛍光抗体法によって味蕾におけるセロトニン免疫陽性細胞を標識して、その形態の観察を行った。その結果、抗セロトニン抗体によって標識される細胞が、味蕾だけでなくその近傍でも観察された。それらの細胞は、味蕾に軸索を伸ばす形態を示した。このような、味蕾に対して遠心性に入力する細胞については脊椎動物全般で詳しくは知られていないため、今後その特徴の詳細にについて解析を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNAsecによって得られたデータの解析が終了していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
RNAsecのデータの解析を進め、2つの組織で発現している遺伝子を比較して、味蕾が多く含まれる触鬚の前方の組織において高い発現を示すものを検出する。
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Causes of Carryover |
他の研究費で消耗品の購入や旅費を支出することができたため、それらの支出が少なくなった。今年度は成果の発表のための学会参加のための旅費や論文出版費用、追加で実施する実験のための消耗品の購入などに充てる。
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