2023 Fiscal Year Annual Research Report
稲作を土台とした地域通貨による地域消費活動の変革を目指した社会実験
Project/Area Number |
21K05802
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Research Institution | Niigata Sangyo University |
Principal Investigator |
阿部 雅明 新潟産業大学, 経済学部, 教授 (20319015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 実良 新潟産業大学, 経済学部, 講師 (10434458)
黒岩 直 新潟産業大学, 経済学部, 講師 (20785224)
宇都宮 仁 大正大学, 地域創生学部, 准教授 (60711091)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 持続可能な社会 / 地域通貨 / 囚人のジレンマ / 地産地消 / 地域通貨ゲーム / ボランティア活動 / 地域コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域消費行動における囚人のジレンマ(価格や利便性の利点から、多くの地域住民が、地域消費よりもネット消費を選択することによって、地域経済そのものが衰退すること)から抜け出し、地域社会におけるパレート最適を達成するため、特に地域農業の再生に重点を置いた地域通貨流通システムの構築を目指している。 そのため、2023年度も地域農家の協力のもとボランティア学生による手植え・無農薬でのお米作りを実施した。収穫されたお米の販売収益は、本研究で発行している地域通貨「風輪通貨」の流通活動資金として使用した。 以上を通して、農業収益で地域通貨を流通させ地産地消を推進する社会システムづくりに関する検証を行った。大学生を対象にしたアンケート調査によると、ボランティア活動への報酬の考えでは24.2%の人が必要と回答し,ボランティア活動に対して報酬を受け取る場合の種類では,現金が16.2%,商品券・金券が18.4%,地域通貨が15.1%という結果であり,これらを合計すると49.7%となり約半数の人が決済のための価値交換媒体が適当だと思っているという結果であった。これらのことから地域通貨を使用することの可能性や有用性を確認することができた。 現段階までに、地域活性化に貢献するボランティア活動に対して地域通貨を配布して、ボランティア参加者が地域通貨を地域の協力店で使用し、地域通貨運営委員会が地域通貨使用期限終了後に、協力店で使用された地域通貨を現金と交換し、お店から回収するという基本的枠組みはできている。しかし、流通規模が小規模なため、地域経済活性化の効果の検証ができる段階にまでは到達していない。そこで、本研究では地域通貨が地域経済に与える効果を教室内で体験できる地域通貨ゲームを、様々なグループで実施して、その効果の検証とともに、参加者への啓蒙活動も行なっている。
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Remarks |
本研究の一環として流通活動を行っている地域通貨「風輪通貨」を一般市民に知ってもらうことと、流通規模の拡大と地域活性化効果の促進を目的とした、活動紹介webページとyoutubeページを公開している。
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