2022 Fiscal Year Research-status Report
世界/日本農業遺産地域を軸とした持続的な地域農業マネジメントシステムの形成要因
Project/Area Number |
21K05819
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
片岡 美喜 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (60433158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 英俊 秋田県立大学, 生物資源科学部, 助教 (40825759)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 農業遺産 / 農業の担い手 / 地域農業 / 農業経営組織 / GIAHS / 世界かんがい施設遺産 / 世界農業遺産 / グリーンツーリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界/日本農業遺産等の国内認定地域を対象に、持続的な地域農業マネジメントシステムの形成要因の解明を行い、農業経営と「農業遺産」保全が両立した地域農業のあり方を提示することを目的としている。 本年度は、世界農業遺産および世界かんがい施設遺産に関する現地調査として、稲作を主体とした農業遺産である宮城県大崎市、国内において最初に認定された世界かんがい施設遺産のひとつである青森県稲生川流域にて、関係部署、団体などへの調査を行った。これらの調査から、制度への登録を契機とした地域活動の開始・促進が確認され、地域内での認識の涵養がみられた。とくに大崎市においては、地域教育への活動促進や、体験修学旅行など児童・生徒の受け入れを行う際に、「農業遺産」を指導の核とした取り組みにおいて成果をあげていた。一方で、登録地域内での取組状況や各遺産の活用状況について、遺産に対する認識の相違による差異があった。また、農林水産省の世界農業遺産の担当部署への調査からは、制度推進を開始して5年以上経過した地域などにおける成果や、今後の政策推進などについての見解が得られた。 上記の調査の成果として、登録地域および今後登録を希望する地域双方において、遺産の維持・保全を今後も継続的に行ってゆくための政策および実践の推進が必要であることが分かった。とくに技術進歩による農法の変化と、農業遺産の価値をどのように維持するか、バランスを取るのかという課題への対応は重要である。次年度以降において、各地域での政策および実践に関しての分析を行うとともに、更なる現地調査の実施を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは新型コロナウィルスによる影響で、移動および行動の制限があったため、現地調査の実施が困難であった。 今年度はその制限が緩和され、対象となる地域においての現地調査の受け入れなどの対応が可能となった。そのため、昨年度と比較して、積極的な現地調査が遂行できた。また、現状に伴い、各地域におけるコロナ禍での影響や対応も確認することができた。 一方で、まだ制限の状況があったため、積極的な調査実施には至っていないこともあったため、次年度以降において一層の進捗に励みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究課題の推進については、関連する機関および農業遺産等認定地域に対する現地調査の実施を一層進めると同時に、質問票調査も含めた量的な実態把握を積極的に進めたい。 これまでの研究において、とりわけ過年度においてコロナ禍であったため未実施であった現地調査の実施を行うとともに、各地域の推進組織の体制分析と政策的対応に関する評価を実施したい。
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Causes of Carryover |
研究分担者の研究計画において、研究遂行に必要な旅費およびソフトウェア等の購入を行うため、次年度以降に研究費を繰り越すという計画変更をおこなったためである。
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Research Products
(3 results)