2022 Fiscal Year Research-status Report
土壌雨量指数を用いた里地里山における土地利用形態別の土壌の保水性・排水性評価
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21K05837
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
江波戸 宗大 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (00391376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南光 一樹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (40588951)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 土壌硬度 / 雨滴粒径分布 / 保水性 / 排水性 / 里地里山 / 土壌雨量指数 / 土壌水分 / 土地利用形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、里地里山の土地利用形態が異なる土壌について、雨水の排水・保水機能を土壌雨量指数と関連づけて解明することを目的としており、2022年度は、① 3段タンクモデルを用いた土壌雨量指数の解析を行い、② 雑木林・水田・放牧地に降り注ぐ雨の量と質を経時的に把握し、③調査圃場内に二次元的に配置した土壌水分センサから深さ20cm, 40cmの土壌水分の推移を面的に把握した。 研究期間内でもっとも雨量が多かったのは、20時間で98mmの降雨イベントであったが、土壌雨量指数を計算すると、最大で49であった。3段タンクS1, S2, S3の経時的な比率を検討すると、最初のタンクS1は降雨の有無に対する反応性がとても高く、雨の降り始めと共に比率が急増し、雨がやむと比率が急減した。2番目のタンクS2の比率は雨がやむと急増した。放牧地における深さ20cmの土壌水分(4地点)と土壌雨量指数の推移を比較すると、土壌水分の方が早く立ち上がり、雨がやんだ後の減衰はゆっくりであった。土壌雨量指数のパラメータは花崗岩質の場合があてはめられているため、調査地の褐色低地土よりも水の抜け具合が早くなっていたと考えられた。 降雨イベント時にレーザー雨滴計で測定した雨滴全ての大きさと速度から5分あたりの雨量と運動エネルギーを算出し、降雨イベントごとに雨量と運動エネルギーを正規化して運動エネルギーと雨量の比を取ると、降雨イベントの中で雨のインパクトが大きいタイミングを評価できた。 調査圃場内に配置した土壌水分センサ(4地点)の深さ20cm, 40cmの経時的推移を比較すると、調査圃場の地形や土壌硬度の硬軟の影響が土壌水分の多少に影響していることが明らかになった。調査圃場の西側で相対的に土壌水分が高い傾向にあったが、西側に林地が存在していることが関係していると思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
土壌雨量指数を解析して実際に土壌水分の推移と比較すると、土壌雨量指数のパラメータの特性が把握でき、3段タンクモデルの長所と短所について知見を深められた。また、レーザー雨滴計で測定した雨滴の大きさと速さから降雨の質を評価できるようになった。さらに、調査圃場内の微地形を反映した土壌水分の推移をモニタリングすることで、土壌硬度三次元分布との関係性を検討できるようになった。 昨年度は圃場に設置した機器類の様々なケーブルを野生動物に食い千切られてデータの欠損が続いたが、今年度はきちんと対策できたので、順調にデータ収集できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度から準備を進めているが、調査圃場内の土壌水分センサ設置地点を4地点から12地点程度まで増やし、深さごとの土壌水分の推移について面的な把握を行う。それらデータを解析して、調査圃場内の大きな水みちを考慮した排水性・保水性を三次元的に評価する。 降雨イベント時の雨量と運動エネルギーの解析数を増やし、土壌表面へのインパクトを評価するとともに、土地利用形態ごとに土壌雨量指数を算出し、土壌水分の推移と比較を行う。その知見を用いて土地利用形態ごとのパラメータ値を検討する。
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Causes of Carryover |
調査のために設置する機器の電源供給について、電力消費量や季節ごとの日照時間の変化などで電力量が足りなくなる可能性があったため、ソーラーパネル、バッテリなどの消耗品は初年度に多めに予算を組んでいたが、研究者らが持っていたものを供試して様子を見たため、初年度の購入量が減った分が残っている。最終年度に、土壌水分センサなどの設置箇所が増えるので、そちらの装備の増強のために補填する。
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Research Products
(2 results)