2021 Fiscal Year Research-status Report
農家の経験と見極める目を取り入れた茶の収量と品質予測のモデリングと高精度化
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21K05848
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柴田 勝 山口大学, 教育学部, 准教授 (30300560)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 茶 / Camellia scinensis / 予測技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
茶栽培において、現在のスマート農業に見られる収量予測技術は、ドローンによる広範囲な画像解析やIoT,フィールドセンサーによる圃場・ 気象データのみに依存しており、農家の技術や経験がほとんど活かされていない。本研究の目的は、実用化に耐え得るロバスト性の高い「樹勢診断」「収量・品質予測」を行うための理論的背景と技術の開発である。 本研究の目的は、実用化に耐え得るロバスト性の高い「樹勢診断」「収量・品質予測」を行うための理論的背景と技術の開発である。「樹勢評価」のため、茶樹の「生長ポテンシャル」と「栽培」からモデル構築を行いアルゴリズムに従い、秋整枝での翌年春の一番茶収 量の予測式を誘導している。精緻化するために、春の一番茶に寄与する秋芽と春の新芽の量的関係を調べ、栽培フィルターによる選択後、収量補正の補正因子として用いた。その結果、収量の誤差が1~5%程度減少した。しかし、出開き度の低い(15%以下)では、その効果は小さかった。アミノ酸予測については、現在、器官別の単純フラックスモデルを軸に複数のモデルと因子から検討を行っている。しかし、茶の萌芽を起点にフラックス変化が認められることから、時間的な変化によるモデル作成が必要である。精緻化するには実際に葉位別のアミノ酸含量の予測を行わなければならないが、現在のモデルでは、葉位別のモデル作成ができないことから、単純化した新たな方法により予測モデルを作成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナによる移動制限はあったが、予定していた実験を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
年度ごとの進捗状況は、計画とおりであり、計画変更の予定はない。来年度は今年度に得られたデータを基に収量予測の精度向上および品質予測のためのアミノ酸予測の理論をモデルから作成していく。
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Causes of Carryover |
2021年度は、一番茶の摘採期間に外出自粛、県境を越えての移動が制限されていたことから、福岡県でのチャの摘採を研究協力者が代行した。このため、出張旅費が予定した金額より減少した。繰り越した研究費は、22年度に予定している圃場実験での処理条件をより細かく設定することで精度を高めるために使用する。
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