2022 Fiscal Year Research-status Report
農家の経験と見極める目を取り入れた茶の収量と品質予測のモデリングと高精度化
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21K05848
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
柴田 勝 山口大学, 教育学部, 准教授 (30300560)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 茶 / Camellia scinensis / 予測技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
茶の収量を予測するために、栽培条件や摘採環境を標準化し、補正を行うことで実際の収量の予測式の誘導を行う。予測の基準を作成するために標準園地で5つの項目( (a) 露地栽培、(b) 出開き度、(c) 摘採高、(d) 窒素施肥量 )を固定した標準となる条件を作成し、収量測定を試みた。2022年5月に八女を標準地域として、出開き度50%、摘採高さ2cmで摘採した茶の収量に対して、出開き度の補正関数を作成した。そして、二乗平均根誤差(RMSE)によるモデルの回帰分析の評価を行った。その結果、露地の予測精度は高く、実収量は十分に予測範囲(RSME<5% mean)に入っていた。摘採高については新芽の長さにより、摘採高が収量に与える影響が異なってくる。このため、収量に与える摘採高さの補正関数は新芽長,秋整枝面からの高さに依存するモデル式として作成した。ただし、新芽長は秋季の樹冠状態からの予測に基づいた。 一方、茶の旨成分であるアミノ酸を茶の品質を示す指標として、新梢のアミノ酸の合成、分解、転流の複合的なモデルを昨年度に作成した。このモデルを用いて4つの独立変数を設定し、「葉のアミノ酸濃度」を従属変数として誘導を行った。その結果、分散が大きいが順位別(分類)評価は可能であった。しかし、定量的な数値の予測には精度の向上が必要であった。今後、モデルの改良やサンプル数を増やすことで、誤差、分散を抑えることができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
春に一部の茶園で霜害があり、使用できるサンプル数が減少したが、予定した研究は順調に進み、完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
各年度での進捗は順調であり、計画通りである。最終年度の計画に加えて、新型コロナで行うことができなかった2021年度予定の計画の一部を行う予定である。
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Causes of Carryover |
21年度の研究はコロナにより移動制限が行われ、その分、旅費の予算が次年度に繰り越しとなった。22年度は計画通りの研究のみを行うことができ、21年度からの繰越金が22年度の未使用額として残った。23年度は、21年度に行うことができなかった実験を予定している。
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