2023 Fiscal Year Annual Research Report
紫外光励起蛍光分光画像計測による農産物の蛍光指紋抽出と品質評価
Project/Area Number |
21K05853
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小林 太一 宮崎大学, 研究・産学地域連携推進機構, 准教授 (40541355)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 紫外励起蛍光分光画像 / 蛍光指紋 / 品質評価 / 非破壊計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「紫外光励起蛍光分光画像計測による農産物の蛍光指紋抽出と品質評価」の基礎的知見を得ることを目的とした。最終年度は、複数の紫外光励起を用いて取得した蛍光画像からの蛍光指紋取得とその解析について実施した。 昨年度実施したカンキツの冷蔵貯蔵過程における状態変化の蛍光分光観察を受けて、低温障害等の予兆検知及び疑似可視化について実施した。貯蔵前のカンキツにおける励起/蛍光波長は①345/420、②290/450、③315/540、④320/680、⑤375/740nm、貯蔵7日目は⑥375/740nmの位置に蛍光ピークが確認された。①はシネセチンもしくはノビレチン、②はヘプタネトキシフラボン、③はカロテン、④⑤及び⑥はクロロフィルに由来するピークと推察できた。次に貯蔵前後において蛍光ピークが確認された紫外励起波長375nmにおける蛍光画像(740nm)及び比較のためにRGB画像を経日的に撮影した。正常果実におけるRGB画像を目視で確認すると外観色状態の経日的変化は軽微であり、蛍光強度も同様に推移した。一方、障害果実では8日目あたりから褐変を示し、蛍光分光画像では経日的に変化の程度( 白みがかっている領域の面積)が観察され、これに伴い蛍光強度も増加することが判った。次に、障害が生じる初期の段階、すなわち、冷蔵障害の予兆がある段階について観察すると、RGB画像では8日目から褐変するのに対し、蛍光分光画像では6日目より蛍光発色を捉えることが観察された。以上、これら障害部位を抽出・疑似可視化し、経日的に遡ることで貯蔵初期状態の変化を捉えることが確認でき、低温障害等の予兆の可能性が伺えた。 一方、生菌や微生物固有等の蛍光指紋の導きについては、撮影・照明条件の設定及び迷光やノイズ除去等の画像処理に時間を要し、多変量解析、AI解析及びデータマイニングにより品質評価指標には至らなかった。
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Research Products
(3 results)