2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of transporting vehicle for supporting of harvest and management
Project/Area Number |
21K05858
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
飯田 賢一 奈良工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (70290773)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運搬台車 / 電動化 / ハンズフリー / 自律移動 / 熟度判別 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の日本の農業は,農業就業者の高齢化が問題となっており,2000年から2016年までに,農業就業人口のうち65歳以上の割合は52.9%から65.2%に増加している.我が国の農業現場では就農者の高齢化が急速に進んでいることから,農工連携による農作業の省力化や軽労化が求められているとともに,新規就農者への栽培・収穫スキルの継承や農業経営の効率化が喫緊の課題となっている. 本課題では,施設園芸における省力・軽労化とストレス解消,および熟練者技術の継承を実現する収穫・管理支援用運搬台車の開発を試みた.開発する運搬台車の要求事項として①運搬台車と収穫作業を同時に行えること,②台車の進行方向は常に一定であることに加えて,③熟練者の収穫技術を搭載することとした. 開発工程として,収穫・管理支援用運搬台車の設計・製作を第1フェーズ,収穫スキル提示システムの開発を第2フェーズとし,これらの統合を第3フェーズとして,最終年度である令和5年度は第令和3~4年度に実施した1フェーズ,第2フェーズの成果を統合し,統合テストを行った.統合テストにおいては,開発した運搬台車に搭載した4つのモード(遠隔操作・作業者追従・自律移動・自動充電)と運搬台車の走行補正制御を組み合わせた評価・検証テストを行い,ハンズフリー,ストレスフリー,自動運搬,農薬散布など省力・軽労化とストレス軽減が図れる可能性を見いだせた. また,熟練者の収穫技術を運搬台車に搭載することはできなかったものの,機械学習を用いてイチゴやトマトの熟度判別し,その結果をモニターに提示でき,収穫技術を“見える化”することができることを確かめた. これらの研究成果は,農業従事者や農業関係者との意見交換を行うとともに農業系学会やシステム系学会の講演会にて広く発信した.
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