2021 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いた画像解析による牛群中での子牛の疾病検知システムの開発
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21K05866
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Research Institution | Industrial Research Institute of Shizuoka Prefecture |
Principal Investigator |
井出 達樹 静岡県工業技術研究所, 富士工業技術支援センター機械電子科, 主任研究員 (70788801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 亜津子 静岡県畜産技術研究所, 酪農科, 上席研究員 (00897465)
荒川 俊也 日本工業大学, 先進工学部, 教授 (50631248)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 深層学習 / 疾病検知 / 個体識別 / 乳牛 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は深層学習で使用するためのデータ収集システムの構築を行った。 まず、子牛の映像データ収集のためのシステム構築を行った。カラー画像、赤外線画像に加え、深度情報が取得可能な3Dカメラを使用し、これをシングルボードコンピュータRaspberry Piで制御することで昼夜問わず子牛の映像データを取得することができる。また、Raspberry PiにはUSBマイクも接続されており、映像データと併せて音声データも取得可能である。 続いて、接触式センサを利用した子牛の生体データ収集装置を作成した。マイコンモジュールM5stackを制御するプログラムを作成し、内蔵のセンサ及び外付けセンサを使用することで子牛の加速度、音声、体温データが収集できる。外部電源としてモバイルバッテリーを使用することで、30時間程度の連続運転が可能となった。これらの装置を3Dプリンタで作成したケースに収納し、子牛の首に装着することでデータを収集することができる。 上記で作成した3Dカメラ及び生体データ収集装置を使用することで、連続的に安定したデータ収集が可能となった。現在、静岡県畜産技術研究所の牛舎内に2台の3Dカメラ、生体データ収集装置を設置し、データ収集を行っている。各装置は無線LAN経由でNTP(Network Time Protocol)サーバと定期的に通信することで、時刻の同期を行っており、データ間の整合性をとることができる。 来年度は、これらの装置から得られたデータを深層学習に使用し、子牛の疾病検知及び個体識別について検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウィルスの影響で、電子部品が手に入りにくい状況であったため、データ収集システムの整備に時間を要した。また、システムのプログラム作成及び実証試験にも予想以上に時間を要したため、収集したデータ数が予定よりも少なかった。しかし、システム自体の整備はほぼ完了したため、これからは継続的にデータを収集することが可能である。今後、データセットを作成し、次の研究段階に進む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度から、収集したデータを使用して子牛領域を抽出するための手法について検討し、深層学習に使用するためのデータセットを作成する。 獣医師の知見を基に、疾病検知及び個体識別に使用する特徴量を決定する。特徴量を抽出するためのモデルを検討課題ごとに作成し、モデルの精度について検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響で、電子部品が手に入りにくい状況となったため、購入できていない物品がある。また、出張が制限されたため、当初の計画通りに予算が執行できなかった。 令和4年度は、前年度に購入できなかった物品を購入し、状況に応じて旅費も執行する予定である。
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Research Products
(4 results)