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2022 Fiscal Year Research-status Report

硝酸肥料・ポリフィルム土壌被覆の併用による画期的なN2O排出削減技術の開発

Research Project

Project/Area Number 21K05881
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

西村 誠一  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (70354090)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 米村 正一郎  県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (20354128)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords一酸化二窒素 / 硝化 / 脱窒 / ポリフィルム / 硝酸肥料 / 土壌中酸素濃度
Outline of Annual Research Achievements

2022年7月から2023年1月にかけて、農研機構内の試験圃場(茨城県つくば市)において露地野菜(ニンジン)の栽培試験を行った。供試した窒素肥料は、被覆尿素(CU)または被覆硝酸カルシウム(CC)(ともに70日溶出タイプ)で、各々ポリフィルム被覆区(CU+M, CC+M)および被覆を行わない区(CU-M, CC-M)の計4処理区を設けた。+M区では、施肥・被覆後のフィルムに直径75mmの植穴を開けてニンジン播種を行った。栽培期間中に週1~2回の頻度で、密閉チャンバー法でガスを採取して一酸化二窒素(N2O)および一酸化窒素(NO)フラックスを測定した。
降雨直後にCU+M, CC+M区でN2Oフラックスが増加するとともに、CU-M, CC-M区でNOフラックスが増加する傾向が観測された。+M区の積算N2O排出量は、-M区よりも84~100%高い値であり、当初の仮説に反して+M区でN2O排出が(削減ではなく)増加する結果となった。一方、CC区の積算N2O排出量はCU区よりも24~30%低い値であり、当初の仮説(CC施用によるN2O排出削減)を支持する結果であった。NOについては、+M区の積算排出量は-M区よりも23~30%低く、またCC区の積算排出量はCU区よりも30~37%低い値であった。
当初の仮説に反して+M区でN2O排出が(削減ではなく)増加した要因について、現在検討中であるが、降雨時およびその直後には植穴のところの土壌水分が一時的に高くなり、結果として+M区におけるN2O生成のホットスポットとなった可能性が、考えられた。
一方、+M区では土壌の硝酸態窒素濃度がニンジンの収穫時まで高く保たれており、ポリフィルム被覆・緩効性肥料の適切な併用によって、表層土壌に硝酸態窒素を長い期間留め、作物の窒素利用効率を高められる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

圃場栽培試験(密閉法によるガスフラックス測定試験)を行い、ポリフィルム被覆および硝酸肥料施用がN2O, NO排出に与える複合的な影響を明らかにすることができた。
通気法によるガスフラックス測定については、システムの整備は概ね完了して予備試験を現在行っている。しかし、NOx分析計の予期せぬ故障のため令和4年度中には本試験に至らなかった。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度に実施した圃場栽培試験を令和5年度以降も引き続き実施し、ガス排出の年次変動等を明らかにする。また令和4年度の試験では、当初の仮説に反してポリフィルム被覆によってN2O排出が(削減ではなく)増加する結果となった。この要因を明らかにするための補足試験として、ポリフィルム被覆土壌中の水分の分布・経日変化を詳細に調査する。
室内試験(通気法によるガスフラックス測定試験)については、NOx分析計の故障のために本試験ができない状態であるが、機器の修繕費を工面して早期に本試験が開始できるよう検討する。
最終年度までに本研究の目的を達成できるよう、引き続き取り組んでいく。

Causes of Carryover

研究費は概ね予定どおり執行した。今年度に実施する予定だった室内試験について、機器の故障等のため本格実施ができなかったため、実験開始後に生じる予定であった一部の経費が次年度使用額となった。

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Published: 2023-12-25  

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