2022 Fiscal Year Research-status Report
卵割期におけるESCRT複合体の機能解明を目指した遺伝子改変マウスの解析
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21K05890
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
高林 秀次 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (70372521)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Chmp2a / Chmp3 / Chmp4b / i-GONAD |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに筋委縮性側索硬化症(ALS)様病態を自然発症する新規突然変異マウスを発見し、その原因遺伝子がESCRT(endosomal sorting complexes required for transport)-IIIのサブユニットであるCharged multivesicular body protein 2A(Chmp2A)遺伝子のミスセンス変異であることを見出していた。ESCRT-IIIは多腔性エンドソーム(MVB)の形成や細胞分裂の膜の切り離しなどの膜のリモデリングに関わっており、Charged multivesicular body protein(Chmp)ファミリー(Chmp2, Chmp3, Chmp4およびChmp6)からなるタンパク質複合体である。神経細胞でのMVBの形成異常が神経変性疾患に関わっている可能性が明らかになってきているが、<i>Chmp</i>ファミリーノックアウト(KO)マウスの多くは胎齢9.5日以前に胎生致死となるが詳細は不明であった。本研究ではマウスの発生初期、特に卵割期におけるESCRT-IIIの機能を明らかにするために、<i>Chmp</i>ファミリーKOマウスを作製してその機能解析を行うことを目的とした。昨年度までに簡便なゲノム編集法であるi-GONAD法を用いてChmp2Aのエクソン2、Chmp3のエクソン4、Chmp4bのエクソン2に対してKOマウスの作製に成功し、すべてが胎生致死であった。 Chmp3 KOマウスについて、発生のどの段階で死んでいるかを調べた結果、胎齢7.5日までは発生が進んでいることが明らかとなった。 また、蛍光遺伝子を組み込んだゲノム編集マウスの作製を試みたが現在までは作製に至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの作製に時間がかかっているため
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Strategy for Future Research Activity |
Chmp2a、Chmp3、Chmp4bの蛍光タンパク質を発現するノックインマウスの作製を行っている。作製後、Chmpファミリーと蛍光タンパク質を共発現させ、イメージングを行う。 また、すべてのKOマウスについて、胎生期のどの時点で致死になっているのかの確認を行う。 正常受精卵を大量に採取して、その中でのChmpファミリーの遺伝子発現とタンパク質発現を確認する。
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Research Products
(1 results)