2023 Fiscal Year Annual Research Report
ブロイラーに多発する異常硬化胸肉の発現機序の解明と発現を抑制させる飼養法の開発
Project/Area Number |
21K05908
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
長谷川 靖洋 酪農学園大学, 農食環境学群, 講師 (50807328)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Wooden Breast / 異常硬化胸肉 / ブロイラー |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果によりブロイラー異常硬化胸肉(以下,Wooden Breast: WB)は胸肉内の筋組織の成長対して血管網の形成が追いつかず,胸肉内の虚血により低酸素状態となり,酸化ストレスを生じて,多数の筋線維が変性・損傷し,正常な再生のサイクルが機能しないことで筋線維が線維化することを明らかとした. これらを踏まえ,2023年度は給餌する飼料の栄養価を代え,飼育初期に給与する飼料の粗タンパク質および粗脂肪のレベルの違いが雛の発育にどう影響するかどうかを検討した.飼育前期に粗タンパク質および阻止棒レベルを低い餌を与えた群(A群)は46日齢時点の体重のばらつきが大きく,体重が重い個体はWBを発現する割合が高かった.一方,飼育前期に粗タンパク質および阻止棒レベルを高い餌を与えた群(B群)は46日齢時点の体重のばらつきが少なく,WBを発現する頻度も低かった.これはA群で給餌した飼料よりもB群で給餌した飼料で粗タンパク質および粗脂肪がそれぞれ,4.5%および1.5%高く,動物性油脂は,ブロイラーの飼育初期段階においてもきわめて重要な栄養的役割を担う可能性があり,WBの発現にも関与していると考えられる
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