2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study of DNA damage and repair mechanism in porcine embryos obtained from vitrified oocytes and zygotes, and its relevance to genome editing
Project/Area Number |
21K05912
|
Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
ソムファイ タマス 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (90547720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 清輝 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (10324576)
菊地 和弘 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, グループ長補佐 (20360456) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ブタ接合体 / ガラス化保存 / ゲノム編集 / OCT4 / CD46 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ガラス化保存ブタ受精卵の効率的なゲノム編集を目的とした。加温2時間後の受精卵に対し、OCT4またはCD46遺伝子CRISPR/Cas9 RNPエレクトロポレーション(RNP-EP)を行った後、胚盤胞まで発生させた。胚盤胞ゲノムシーケンス解析の結果、OCT4(非ガラス化:91.0%、ガラス化:95.1%)とCD46(非ガラス化:94.5%、ガラス化:93.2%)のいずれも高効率でゲノム編集が確認され、非ガラス化とガラス化間で有意差は認められなかった。胚盤胞の免疫細胞染色ではOCT4およびCD46タンパク質は検出されず、それぞれの遺伝子がノックアウトされていることが示された。さらに、OCT4およびCD46ノックアウト胚盤胞はコントロールと比べてその体積が小さいことが分かった。そこで、RNP-EPによるストレス刺激が胚盤胞発生に及ぼす影響を調べるため、上述通り加温後の受精卵にRNP-EPを行い、培養6日目の胚盤胞の総細胞数を比較した。内在性遺伝子コントロールとしてEGFP-RNPを用いた。その結果、総細胞数はOCT4-RNP-EP (35.4±3.6)、CD46-RNP-EP (28.7±4.8)、EGFP-RNP-EP (57.5±4.1)、Non-RNP-EP (66.4±7.8)であった。すなわち、OCT4-RNP-EPおよびCD46-RNP-EP由来胚盤胞の総細胞数は、EGFP-RNP-EPおよびNon-RNP-EPと比べて有意に減少したが、EGFP-RNP-EPおよびNon-RNP-EP間において有意差は認められなかった。これらの結果は、RNP-EPによるストレス刺激は胚盤胞発生に影響を及ぼさないことを示しており、OCT4-RNP-EP、CD46-RNP-EP由来胚盤胞の体積と細胞数減少は、それぞれの遺伝子ノックアウトによる表現型を示唆するものである。
|
Remarks |
ソムファイタマスは、「ブタ卵のガラス化保存の効率の向上と利用に関する研究」で、2023年度日本畜産学会賞(第117号)を受賞した。
|
Research Products
(2 results)