2023 Fiscal Year Annual Research Report
RNase耐性microRNAを用いたイヌ血管肉腫に対する新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K05916
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森 崇 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40402218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 洋樹 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (40283288)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、RNase耐性化学修飾miR-214 (miR-214/5AE) の血管肉腫に対する効果をin vivoにて検討することである。 初年度である2021年度は、マウス血管肉腫腹腔内播種モデルに対してmiR-214を腹腔内投与し、その効果を検討した。その結果、miR-214/5AEの腹腔内投与により腫瘍数および腫瘍重量が対照群に比べ投与群で有意に減少することが確認され、miR-214/5AEはin vivoにおいてもHSAに対してアポトーシスや細胞増殖抑制により抗腫瘍効果を示すことが示された。さらに各群間の体重変化に差がなく、血液検査でも顕著な副作用は認められなかったため、本研究においては忍容性があったと考えられた。2022年度以降については、犬の自然発症症例での検討時は静脈内に投与することを予定していることから、マウスでの静脈内投与での忍容性と効果について検討した。その結果、投与に対する認容性は認めるものの、明確な効果を確認することができなかった。その原因の一つとして、細胞導入試薬として用いているリポフェクタミンが肝臓で捕捉されてしまうことで、全身を循環できず効果が認められないのではないかと考えた。そのため、最終年度ではリポフェクタミンを用いずにmiR-214/5AEのin vitroおよびin vivoの各種検討を行ったところ、in vivoでは腫瘍縮小効果が認められなかった。原因としては、RNAseによる分解や細胞内への取り込み量の不足が考えられるが、現段階では特定できていない。 今後原因の特定と並行して、リポフェクタミンを使用せずに細胞導入可能な化学修飾の開発も進めていきたいと考えている。
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