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2023 Fiscal Year Annual Research Report

胆管発がん過程におけるSOX9発現肝細胞の意義

Research Project

Project/Area Number 21K05928
Research InstitutionNational Institute of Health Sciences

Principal Investigator

高須 伸二  国立医薬品食品衛生研究所, 病理部, 主任研究官 (00597891)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords肝臓 / ラット / SOX9 / 胆管線維症 / フラン
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、ラットに肝細胞がんと胆管がんを発生させる発がん物質であるフランが誘発する肝前がん病変の中にSOX9やCK19などを発現する胆管上皮様の特徴を有する細胞が混在し、このような特徴を有する細胞は胆管がんが発生しない発がん物質では存在しないこと、そしてラット胆管がんの前がん病変である胆管線維症の周囲に形態学的には成熟した肝細胞であるにも関わらずSOX9を発現する細胞が出現することに着目し、発がん過程において出現するSOX9発現肝細胞の生物学的特徴や細胞動態を検証することで、発がん機序を理解することを目的とする。フラン投与後のラット肝臓におけるSOX9発現肝細胞を経時的に検討した結果、SOX9陽性肝細胞は胆管線維症や胆管増生が認められる前のごく早期から認められ、その数は病変の進展に伴い増加した。一方、肝病変が認められなかった領域では、SOX9発現肝細胞は認められなかった。SOX9発現肝細胞の免疫組織化学的検討では、胆管線維症周囲で認められたSOX9発現肝細胞において胆管上皮細胞マーカーのCK19の発現は認められず、EpCAMの発現との関連もみられなかった。また、本実験条件下ではSOX9の発現亢進が見られたものの肝前がん病変の形成は認められなかった。これらのことから、SOX9発現肝細胞の出現はフラン誘発胆管病変の発生や進展に関連することが示唆されたが、その役割については胆管分化とは異なる可能性が疑われ、さらなる検証が必要であると考えられた。また、今回認められたSOX9の発現は肝前がん病変で認められたSOX9の発現とは異なる機序で誘導されている可能性が考えられた。

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Published: 2024-12-25  

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