2023 Fiscal Year Research-status Report
生理的マイトファジーに着眼したブロイラーの異常胸肉の病態解明と抑制方法の開発
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21K05942
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
渡邉 敬文 酪農学園大学, 獣医学群, 准教授 (50598216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 浩 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (80312403)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ブロイラー / 異常胸肉 / マイトファジー / 間葉系前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究成果により、骨格筋の線維化を誘導する間葉系前駆動細胞であるFAPs(Fibro/Adipogenic Pregenitors)と筋線維芽細胞の再生に関与すると報告されているCellular Communication Network Factors(CCNs)の一つであるWISP1(Wnt1 induced Secreted Protein 1)の発現量が発症鶏では両方とも増加していることが示された。そのため、2023年度はこれら分子の発現および局在を形態学的および遺伝学的手法により解析した。材料として、7週齢のブロイラー77羽の浅胸筋を採取した。パラフィン包埋後に薄切した浅胸筋はPicro-Sirius Red染色を施し、光学顕微鏡で撮影後に画像解析ソフトを用いて線維化率を算出し、線維化率に応じて各個体をStage1~6に分類した。qPCR法により浅胸筋における炎症関連分子(IL-6)、FAPs関連分子(PDGFRα)、WISP1の発現量を解析し、線維化率との相関解析を実施した。線維化率のStageが上昇するにつれ、筋線維の円形化、脂肪化および筋再生不良像がみられた。IL-6はStage6で、PDGFRαはStage4以降で顕著に発現が上昇した。WISP1はStage4および6で他Stageと比べて発現が上昇した。線維化率はIL-6、PDGFRαおよびWISP1すべての分子の発現量と有意な正の相関を示した。これらの結果より、浅胸筋における慢性的な炎症はFAPs数を増加させたと示唆された。さらには、FAPsからのWISP1の分泌も過剰となり線維化が亢進したと考えられる。以上より、WBの発症にはFAPsとWISP1の発現変化が密接に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年9月1日から2023年8月31日まで所属機関の海外出張として海外へ留学していた。その期間は申請研究とは別の業務に従事しており、帰国後に申請研究を再開したため計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにブロイラーの胸肉を構成する筋線維の破綻と生理的マイとファジーの破綻にはUSP-2が関連することを見出した。さらには、線維化には結合組織を産生するFAPsの増殖とそれを制御するWISP1の発現増加を見出すことが出来た。そのため、本年度は筋線維の破綻から線維化までについて系統立てたメカニズムの解析を目指す。具体的にはWISP1以外の線維化に関連する遺伝子の発現量を網羅的に解析する。形態学的解析はFAPsに焦点を充てて詳細な細胞構造を明らかにする。具体的には電子顕微鏡観察により正常状態と活性化状態の超微細構造を明らかにする。他には、FAPsがWISP1を発現することを免疫組織化学などにより証明し、これまでの結果をより強固なものにする。
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Causes of Carryover |
2022年9月1日から2023年8月31日まで所属機関の海外出張として海外へ留学していた。その期間は申請研究とは別の業務に従事しており、帰国後に申請研究を再開している。それに伴い補助事業期間の延長を申請したため。
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Research Products
(3 results)