2022 Fiscal Year Research-status Report
VIrome analysis of bats in Indonesia
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21K05951
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 教授 (30292006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 靖子 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 准教授 (60507169)
佐々木 道仁 北海道大学, 人獣共通感染症国際共同研究所, 講師 (70609403)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コウモリ / ウイルス / 単離 |
Outline of Annual Research Achievements |
コウモリは人に致死的な肺炎、出血熱、脳炎、狂犬病 等の自然宿主と考えられている。現在の国際社会のCOVID-19の感染状況において、飛行機等による交通は制限されており、出入国の際には検疫が必要である。斯かる状況において、私達が海外において疫学活動を実施し、コウモリの検体を入手すること、および、海外からコウモリの検体を日本に輸送することは極めて困難である。 そこで本研究計画では、申請者の所属する研究施設に保管されているインドネシアのコウモリから採集した検体を使用することによって、海外に渡航する困難を克服できる。コウモリは3つの島 (スマトラ、ジャワ、スラウェシ)から採集しており、インドネシア地域でのウイルスの多様性を確認することが可能である。多くのウイルスの自然宿主であるコウモリにおいて、新規・既知のウイルスの存在を明らかにすることを計画する。公衆衛生学的に重要と考えられるコウモリ由来のウイルスの存在を明らかにすることを本研究の目的とする。 令和4年度においては我々の研究グループが2010年から2014年にかけて、スマトラ、ジャワ、スラウェシで採集したコウモリを対象とし血清(133検体)、糞便(96検体)および肺(172検体)を用いて、ネルソンベイオルソレオウイルスの血清疫学調査、ゲノムの検出、ウイルスの単離を試みた。その結果、血清(133検体)の内119検体で中和抗体が陽性であること、nested RT-PCR法を用いて、糞便96検体中6検体からウイルスゲノムを検出した。肺172検体からはゲノムは検出出来なかった。さらに、ゲノムが陽性であった糞便検体を、ウイルス感染を増強させることを目的として、セリンプロテアーゼであるTMPRSS2を強制発現させたVero細胞に接種してウイルスを単離した。最終的に単離したウイルスゲノムの分子系統学的解析、細胞での増殖の解析、マウスへの病原性の解析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和4年度においてはスマトラ、ジャワ、スラウェシで採集したコウモリを対象とし血清(133検体)、糞便(96検体)および肺(172検体)を用いて、ネルソンベイオルソレオウイルスの血清疫学調査、ゲノムの検出、ウイルスの単離を試み、血清(133検体)の内119検体で中和抗体が陽性であること、nested RT-PCR法を用いて、糞便96検体中6検体からウイルスゲノムを検出した。さらに、ゲノムが陽性であった糞便検体をTMPRSS2を強制発現させたVero細胞に接種してウイルスを5株単離した。5株のウイルスゲノムを解析した結果、単離したウイルスがオルソレオウイルスである事、また5株のウイルスの塩基配列の相同性が99%以上である事から単離したウイルスが単一のオルソレオウイルスであると結論付けた。得られたウイルスのゲノム情報はDNA Data Bank of Japan (DDBJ)に登録した(LC632072-LC632081)。単離したウイルスはコウモリを採集した地域に因んで、Paguyaman orthoreovirus (PgORV)と命名した。さらに単離したウイルスの分子系統学的解析を実施して、マレーシアの人症例および、タイのサルから検出されたオルソレオウイルスと祖先を同一にする事が判明した。また、異なった細胞でのウイルスの増殖を比較してヒト由来の細胞株であるA549、293T、Caco-2に感受性がある事を明らかにした。またウイルスをマウスに鼻腔内接種することにより、肺炎を惹起する事を確認した。以上の結果を国際学術雑誌であるVirology(2022 Oct;575:10-19. doi: 10.1016)に報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度も同様に、研究室に保管されているコウモリ検体を用いて、ウイルスのゲノムスクリーニングを実施して、陽性検体からウイルスを単離し、細胞、およびマウスを用いた感染実験を実施する事により、その病原性を解析することを計画している。
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Causes of Carryover |
研究の推進において、計画よりも消耗品、マウス等の消費が少なかったため。次年度は最終年度であるため、本年度よりも消耗品、マウス等を用いた実験に使用することを計画する。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Characterization and serological study of Nelson Bay orthoreovirus isolated from Indonesian fruit bats.2022
Author(s)
Kittiya Intaruck, Yukari Itakura, Mai Kishimoto, Herman Moses Chambaro, Agus Setiyono, Ekowati Handharyani, Kentaro Uemura, Hayato Harima, Yasuko Orba, Hirofumi Sawa, Michihito Sasaki.
Organizer
第69回日本ウイルス学会学術集会
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